今年、面接で一番聞かれているのが「生成AI」関連の質問
MarkeZine:5つ目のトレンド「BtoBマーケティングにおける生成AIの活用」について、詳しくお聞かせください。皆さん、どのような場面で生成AIを活用されているのでしょうか?
Matt:一番は、効率性・生産性の向上が目的ですね。それから、コンテンツ生成で生成AIを活用していると回答した方も多数いらっしゃいました。BtoBマーケティングは元々複雑性の高いものですが、私は今後よりその複雑性が増すだろうと見ています。生成AIをうまく活用し、効率性・生産性を自ら上げられることは、BtoBマーケターの必須スキルとなるでしょう。

実際、2024年のジョブインタビュー(面接)で一番聞かれているのが「仕事、あるいはプライベートで、どのように生成AIを使っていますか」という質問なのだそうです。日本でも35%の方が「まったく生成AIを使ったことがない人を採用するのに躊躇する」と回答されています。
MarkeZine:生成AIを使いこなすスキルの高さが求められているというより、生成AIを使って生産性を高めようとするマインドが求められているのでしょうか?
Matt:そうですね。AIのコードを書くことができるなど、テクニカルなスキルが求められているわけではありませんから、ジョブインタビューでも「自分が普段どのように生成AIを使っているか」の事例を話すことができれば十分だと思います。たとえば、生成AIに資料のドラフトを作ってもらっている、ミーティングのサマリーを作ってもらっている、コピー作りのアイデア出しをサポートしてもらっている、といった具合でしょうか。
MarkeZine:なるほど。関連して、他にもマーケターのスキルセットとして重要性が高まっているものがあれば教えてください。
Matt:「Transferable skill」と呼ばれる、ソフトスキルを高めることも大事です。ソフトスキルの中でも、マーケターが高めるべきは「ファイナンスのスキル」と「コミュニケーション力」です。ファイナンス領域においては、CFOと並んでマーケティングのコスト&リターンの話をしっかりできるよう、知識をつける努力が必要。コミュニケーションについては、社内外に自社あるいは自分の魅力を効果的に発信できるようなスキルが求められているでしょう。
日本のBtoB企業には、まだまだ伸びしろがある
MarkeZine:LinkedInは、日本のマーケットにどのような期待感を持っていますか? 最後に展望もお聞かせください。
Matt:我々は日本のマーケットを非常に重要視しています。世界でも大きな市場ですし、何よりまだまだポテンシャルがあると見ているからです。
というのも、2022年にアクセンチュア様と共同で調査を行ったところ、とても興味深い数字が得られました。重工業・機械・電気・化学・マテリアルなど主要セクターを合わせて日本の製造業における海外でのポテンシャルを調べてみると、実に1,080億ドルも売上の伸びしろがあることがわかったのです。
ただ、こうした業界にいる日本企業は、まだ対面での営業や展示会を主なマーケティングチャネルとして使われていると認識しています。そうしたオフラインのチャネルももちろん重要ですが、グローバルでの成長余地を捉えるために、ぜひデジタルチャネルももっと活用していただきたいですね。
冒頭で申し上げたとおり、LinkedInは日本のメンバー数も順調に伸びており、400万人という1つのベンチマークを突破しました。キャリア構築のお手伝いや、学びの機会の提供、マーケティング・ソリューションズの提供などを通して、皆さんのビジネスの成長をサポートしていければと思います。