電通のヘルスケア領域の事業・マーケティング戦略をワンストップでサポートする専門組織「電通ヘルスケアチーム」は、第18回となる「ウェルネス1万人調査」を実施した。同調査は2007年から毎年実施しており、ヘルスケア領域における最新動向や市場ニーズについて生活者視点で調べたものとなる。
使用率が最も高いヘルステックは「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス」
まず、ヘルスケアに関するテクノロジーを活用したサービスや商品の利用状況や今後の利用意向を調べた。すると、使用意向率・現在使用率が最も高いヘルステックは「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス(使用意向率:33.7%、現在使用率:11.7%)」に。現在使用率は2020年比で181%となった。
また、「尿や便の一部を採取することで、自分の栄養状態や腸内環境が把握できる検査キット(使用意向率:33.0%、現在使用率:3.9%)」「睡眠の質を測定してくれるベッドや寝具(同:29.8%、同:4.7%)」などの検査・測定サービスも2020年以降、伸長傾向となった。「1日に必要な栄養の大半が取れるパンや麺(完全食)(使用意向率:24.6%、現在使用率:5.1%)」の使用意向率・現在使用率も、同じく伸長した。
関心のある健康データ、女性は「ストレス」、男性は「血圧」
次に、どのような健康状態のデータに関心があるか尋ねると、女性は「心の疲れ度(ストレス)(39.0%)」「睡眠の質(36.3%)」「ホルモンバランス(33.4%)」など、日々のコンディション把握に関連する項目への関心が高かった。男性は「血圧(36.6%)」「体脂肪率・内臓脂肪レベル(29.6%)」など、健康診断で指摘されやすい項目への関心を持つ人が多くなった。
「データによって、自分の健康寿命に影響がある要素を測定/予測できる【ヘルスケア】(利用したい:63.4%)」や「睡眠状態や活動量など、日頃の体調・からだの状態に関する情報を一元管理できる【ウェルネス・コンディショニング】(利用したい:62.7%)」といったヘルスケアデータを活用したサービスの利用意向については、全体の半数以上が「利用したい」と回答した。ただし「有料でも利用したい」と答える人は10%以下だった。
健康のための商品にかける金額は減り、サービスにかける金額は増加
続いて、健康のための商品にかけている1ヵ月あたりの金額について質問。2024年調査では、2023年の1,331円から減額し1,269円となり、2020年からの直近5年間で最も少ない結果となった。一方、健康のためのサービスにかけている1ヵ月あたりの金額は、2023年の896円から増額し2024年は948円だった。
「ウェルビーイング」の認知度は約3割に
生活者が日頃悩む症状や気にしているものの原因について尋ねたところ、「頭痛」の原因の1位は「気圧の変化(55.5%)」に。「耳鳴り・耳の閉塞感」「だるさ」などの原因においても「気圧の変化」が3位以内に入った。
最後に、「ウェルビーイング」という言葉の認知度を調査。結果、認知度(「内容まで理解している」「見聞きしたことがある程度(内容はわからない)」の合計)は31.1%となり、2022年調査の20.8%から10.3ポイント増加した。
【調査概要】
調査対象:日本全国の20~60代男女
サンプル数:10,000※性年代、地域構成比を人口構成比(R2国勢調査)に合わせて回収
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024年6月7日(金)~6月10日(月)
調査機関:電通マクロミルインサイト
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