電通は、国内電通グループ横断でAIに関するプロジェクトを推進する「AI MIRAI」のもと、「AIに関する生活者意識調査」を実施。生活者のAIに関する認知・期待・不安などの傾向を調べた。
AIに最も期待するのは「無駄・非効率な業務が減ること」
まず、生活者がAIへ期待していることを調査。最も期待が高くなったのは、「無駄・非効率な業務が減ること(26.4%)」だった。
2位以降は「AIにより産業・技術革新が進むこと(20.5%)」「社会課題(環境問題、医療問題、災害対策、交通渋滞、人口問題など)の解決につながること(17.8%)」「必要な情報を収集してくれること(17.2%)」「言語の壁を越えいろいろな情報や人とコミュニケーションがとれること(17.1%)」が続いた。
性年代別で見ると、男性10代(15~19歳)が各項目で全体平均を上回った。
「経営などの意思決定」は、AIではなく人間が行うべきと3割が回答
次に、AIによる業務の代替が進んだ際にAIに任せても良いと思う業務について質問した。その結果、1位は「翻訳(42.4%)」、2位は「ルーティンワーク・単純作業(37.7%)」、3位には「組み立て作業(36.3%)」がランクインした。
一方、AIに任せず人間がやった方が良いと思う業務では、「医療処置(40.7%)」「医療診断(36.7%)」「経営などの意思決定(30.6%)」と答えた人が多かった。
半数以上が、AIの生成物に「信頼できる発信元の表記」「AIによる生成物であることの表記」を義務付けるべきとの考え
続いて、AIの活用に関して持っている考えを尋ねると、「AIが生成したものには、信頼できる発信元からの情報によって生成されたものであることが分かるような表記を義務付けるべきである(54.9%)」「AIが生成したものには、そのことが分かるような表記を義務付けるべきである(54.8%)」と考える人がそれぞれ5割を超えた。
一般企業従事者の約7割がAIの導入を検討
ビジネスシーンにおいて、AIの導入を考えるかどうかとその目的を質問した。すると、AIの導入(「導入した方がよいと思わない」を除く、「今すぐ」から「それより先の時期」の合計)を考える一般企業従事者の目的としては、「人手不足対策(73.0%)」が最も高かった。2位には「コスト対策(70.1%)」、3位には「ビジネスチャンス(66.6%)」と続き、いずれの項目においても約7割に。
AIの導入時期については、最も意向が高かった「人手不足対策としての導入」では、「今すぐ(8%)」から「半年以内(5.8%)」までの合計が32.7%となった。
従業員数300人以上の企業では、AIは「積極的に活用すべき」と考える人が多い
最後に、ビジネスにおけるAI活用に対する考えを調査。結果、従業員数300人以上の企業は300人未満の企業に比べ、「自社におけるAI導入は、コストというよりも業務効率化や人員対策につながる方が大きいと思う(従業員数300人以上:51.6%、300人未満:43.4%)」「AIを活用することで業務効率の向上につながるため、自社業務においても積極的に活用すべきである(従業員数300人以上:49.5%、300人未満:37.4%)」と考える人が多い傾向にあった。
【調査概要】
調査対象:日本全国15~69歳の男女
サンプル数:3,000(人口構成比にのっとり回収)、うち15~19歳(性別ごとに回収)208ss、20~69歳(性別・10歳ごとに回収)2,792ss
調査手法:インターネット調査
調査期間:2023年6月14日(水)~6月21日(水)
調査機関:電通マクロミルインサイト
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