企業の縦型ショートドラマで何よりも重要なこととは?
企業が縦型ショートドラマを活用するためのテクニックをいくつか紹介しましたが、何よりも重要なことがあります。それは、ドラマを通して伝えたいメッセージ設定を明確にした上で制作に入ることです。それによって初めて、企業が伝えたいメッセージが的確にZ世代の心に届く作品作りが可能になります。
その事例の1つに、三井住友カードと上田慎一郎監督が所属するPIOCREがタイパをテーマに制作した縦型ショートドラマがあります。本作ではZ世代に向けて、トレンドであるショートドラマを採用し、「話題化」と「サービス訴求」の双方を実現したプロモーションに成功しています。
またテーマ設定もZ世代だからこそ特に刺さる「タイパ」をテーマに設定し、「タイパ」の先にある大切な人との時間の大切さについて考えさせるストーリーとなっていました。その結果、本動画は総再生回数が300万を超え、大きな話題を呼びました。
このように、従来のテレビCMのような横型動画よりも没入感があり、また視聴者の感情を動かすストーリーによって受動的にならない縦型ショートドラマは、Z世代への訴求に有効なアプローチです。作品を通して伝えたいメッセージ設定を明確に行えば、視聴者の思考を促し、発話などの能動的なアクションを誘発させることから、印象に残りやすく、話題化にもつながる手法といえます。
押し付けのような広告に抵抗感のあるZ世代に、自然に受け入れてもらえるコンテンツが求められている今、縦型ショートドラマをその打開策の1つとして活用しない手はないでしょう。