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「共感と気づきがカギ」Z世代に刺さる縦型ショートドラマの魅力と企業プロモーションへの取り入れ方

 TikTokやInstagramを中心とした動画プラットフォームで、「縦型ショートドラマ」がZ世代の注目を集めているのをご存知ですか? 「縦型ショートドラマ」とは、スマホの縦画面に合わせて作られた2〜3分程度の短いドラマのこと。スマホの向きを変えることなく視聴できるのが特徴で、TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなどのプラットフォームで頻繁に発信されています。本記事では、Z世代がなぜ縦型ショートドラマに注目しているのか、またそのインサイトを活用した企業の取り組みについても解説したいと思います。

なぜ今Z世代に縦型ショートドラマが刺さるのか

 ショートドラマがZ世代に人気を集める背景として、2つの理由が挙げられます。

 1つはタイパ(タイムパフォーマンスの略)を重視した視聴が可能な点です。Z世代の特徴として「タイパ」という言葉が頻繁に使われますが、倍速視聴やスキップ視聴に慣れ親しんだZ世代は、長い動画や映画、またテンポの悪い動画は「時間がもったいない」「つまらないと感じるコンテンツに時間を無駄にしたくない」という理由から敬遠する傾向にあります。

 一方ショートドラマは、最長でも2分程度の短尺で構成されており、テンポ良くスピーディーな展開となっています。そのため、その動画が見る価値のあるものかをすぐに判断できるとともに、たとえつまらなかったとしても「時間を無駄にした」という感覚は薄いことから、Z世代に受け入れられやすいのだと考えられます。

 また、通常のテレビドラマなどと異なり、結末が動画の冒頭で描写される点も縦型ショートドラマの特徴といえます。先述の通り、タイパを重視したZ世代は、なるべく早い段階でその動画を見る価値があるかどうかを判断したいと思っています。そのため、冒頭でいかにインパクトのあるシーンを作るかがZ世代を惹きつけ、視聴を維持させる肝となります。

 一般のテレビドラマは起承転結で構成され、プロローグや実景から始まるのに対して、ショートドラマは結から始まることで、Z世代はストーリーに対する一定の期待値を担保できるのでしょう。

縦型動画の没入感が視聴維持と共感を生む

 ショート動画がZ世代に受け入れられるもう1つの理由には、没入感があることが挙げられます。その背景の1つには、横型と縦型動画とでの情報量の違いがあります。

 横型動画は画面から得られる情報量が多いのに対して、縦型動画は情報量が限定されます。これは、数人が動画の中に映るような構成の動画を撮るケースを想像いただくとわかりやすいでしょう。縦型動画は1カットに対する情報量を抑え、各登場人物や商材にフォーカスした構図になっているため、まるで登場人物と同じ空間にいるような没入感を得られるのです。

 プロモーションの観点でいえば、インフルエンサーマーケティングと比較すると、人(インフルエンサー)起点で動画視聴を促し、かつ商材の購買意欲につながるのに対して、縦型ショートドラマは没入感を生むことでZ世代の視聴の維持を促し、またドラマという特性からストーリーへの共感を誘発できるため、広告感なく商品の機能性や企業メッセージを伝えられるメリットがあるといえます。

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この記事の著者

仁藤 大暉(ニトウ ダイキ)

 2000年生まれ。北海道出身。前職では大手制作会社に所属し、大手飲料メーカーや化粧品メーカーのCM制作を担当。株式会社FinTでは、TikTokチームで大手人材業界のアカウントのディレクションを担当。現在は、ショートドラマチームのリーダーとして、企業のショートドラマプロモーションのプロデュースに従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/10/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47096

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