共通の話題の減少とメディアの多様化
皆さんは見ず知らずの人と話すときにどのような話題をするだろうか? かつては年末であれば紅白歌合戦、日常は月9等のドラマやベストテンの人気歌手などの話だったかもしれない。しかし、それらは既に世代を通じた共通の話題とは言えないだろう。
一方、日本代表試合のような国民的スポーツ、異常気象などの天気、健康といったテーマは、世代を超えた話題だ。これらはメディアを超えた共通の体験・情報であり、あらゆるところで情報化されているコンテンツである。
核家族化やスマートフォンの普及が進み、リビングでのメディア消費の傾向も昔とは大きく変化した。特に若年層においては、テレビを待たない・見ない替わりに、インターネットで各々が好きなコンテンツを好きな時にみる傾向が強い。これらは現在若年層の好きなコンテンツにのめり込み育てる「推し活」にもつながっているだろう。
実際、紅白歌合戦の第1部は29.0%、第2部が31.9%と過去ワーストの視聴率を更新する中(※1)、真裏でSTARTO ENTERTAINMANT(旧・ジャニーズ事務所)のSnow ManはYouTubeで133万人という同時接続の世界記録を達成したのである(※2)。また先日、Yahoo!テレビサービスが終了する旨アナウンスされましが、時代の流れを象徴しているように感じる(※3)。
今や全国民が共有するような話題は少なくなり、その背景としてメディアの多様化とインターネットの普及が大きく影響している。現在は「みんなが見るコンテンツ」ではなく、「自分が好きなコンテンツ」を「見たいときに見る」人が、デジタルネイティブを中心に増えているのだ。
※1:ビデオリサーチ『NHK総合「紅白歌合戦」世帯視聴率』
※2:ORICON NEWS『Snow Man生配信ライブ、最大同時視聴者数133万人突破 「#SnowManみな楽Live」がXトレンド2位に』
※3:Yahoo!テレビ.Gガイド『サービス終了のお知らせ』