3年間で8%の物価上昇。生活者の動きは?
インテージの榎本裕氏は初めに、値上げを取り巻く市場と生活者の状況を解説した。
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この状況下で、生活者はどのような節約行動を取っているのだろうか。榎本氏は、商品カテゴリーごとにアンケート結果を紹介した。
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「図1は『安いお店で買う』『まとめ買いをする』など8種類の節約行動の結果を表したグラフです。注目したいのは、『プライベートブランドを買う』という部分。食品系カテゴリーでは、プライベートブランド利用意向が最も高いのは調味料です。続いて『購入を控える』の回答結果を見てみると、飲料や菓子といった嗜好品と呼ばれるカテゴリーは購入の選択肢から外れやすいことがわかります」(榎本氏)
特売時に反応が起こりやすいカテゴリー
続いて榎本氏は、日用品カテゴリーについても同様のアンケート結果(図2)を紹介。日用品のトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品では、プライベートブランドの利用意向が高い。一方、「購入を控える」の回答結果では、メイクアップ化粧品やスキンケア化粧品など、化粧品カテゴリーの割合が高かった。
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さらに「特売品を買う」傾向は、紙製品、住居用品、洗剤といった日常生活に欠かせない商品群で、30%程度と高い結果が出ている。「特売を行ったときに生活者が反応しやすいカテゴリーと反応しにくいカテゴリーがここから見えてくる」と榎本氏は分析する。
また別の調査では、この3年間値上げが続く中で、値上げへの「慣れ」や節約への「疲れ」もうかがえる結果が出ているという。