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SNS運用のプロが現場で使う!生成AIの実用Tips

生成AIで“望まれるSNSコンテンツ”を生む。運用のプロが教える、ターゲット&投稿切り口の効率作成法

(1)ターゲット情報から投稿切り口を作成するプロンプト

 ターゲット情報を基にして投稿切り口を生成してもらえる、シンプルなプロンプトです。出力フォーマットの指定を付け加えたり、制約条件を設けたりするなど、カスタマイズしやすい形になっています。

【プロンプト】

下記の情報からSNSの投稿アイデア・切り口を20件考えてください。

//STEP1プロンプトで得たターゲット情報のまとめ、自社ビジネス情報を入力//

(2)収集した参考事例から投稿切り口を作成するプロンプト

 完全にゼロから投稿を作り出すのは、人間であれAIであれ難しいため、SNS上で高いエンゲージメントを得ている投稿を参考にすることを推奨します。ただし、コンテンツをそのまま模倣するのはポリシーや倫理の観点から問題があるため、参考までにとどめておきましょう。

 次のプロンプトでは、他社や競合の事例を収集しそれをAIに事例として覚えてもらい、投稿の切り口を作成してもらえます。

【プロンプト】

下記は直近チョコレートのキーワードを含んだXの投稿で、エンゲージメントの高かった投稿です。これらの投稿がなぜエンゲージメントが高かったかを分析し、参考にして、投稿アイデア・切り口を20件作成してください。

//エンゲージメントの高かった投稿のテキストを貼る//

 

#制約条件

下記のビジネス基本情報とターゲット情報も参照すること。

//STEP1プロンプトで得たターゲット情報のまとめ、自社ビジネス情報を入力//

 このプロンプトを使う際に気をつけていただきたいのが、事例の伝え方です。ChatGPTをはじめとして多くの生成AIツールは、SNSへのアクセスが基本的に遮断されているため、SNSの情報やURLを情報ソースとすることができません。そのため、投稿事例などはSNS上で自ら検索して探す必要があります

 Xであれば「高度な検索」の機能、他のSNSであればソーシャルリスニングツールなどを活用すると良いでしょう。

画像を説明するテキストなくても可

 ちなみにXの高度な検索は、たとえば「チョコレート」を検索キーワードとしながら、「いいね数、リツイート数はそれぞれ100以上」「使用言語は日本語」などの条件を付け足して絞り込めます(検索例)。

(3)生成AIにロールプレイングをさせ、投稿切り口を出力させるプロンプト

 このプロンプトは、SNS投稿のアイデアを生成AIに議論させて作成するために設計されています。生成AIがブランドマネージャー「A」とSNS企画の専門家「B」の役割を交互に演じ、意見を交わしながら最終的に20個の投稿切り口を完成させる形式です。

 このプロンプトを活用することで、アイデアの多様性が確保されます。また、議論のプロセスも出力されるため、そのプロセス自体からアイデアを生むことも可能です。

【プロンプト】

#前提情報

//STEP1のプロンプトで得たターゲット情報のまとめ、ビジネス情報を入力//

 

#タスク内容

{商品名}のXのxx月用投稿アイデア・切り口を20個議論し、作成する。

 

#参加者役割

(1)ブランドマネージャー「A」:20年以上の経験を持ち、業界・自社製品に精通したベテラン。

(2)SNS企画の専門家「B」:SNSの企画に詳しく、鋭い視点を持ち、議論で熱くなることもある。

 

#タスク要件

AとBの2役が交互に議論し、100点の結果にたどり着くまで続ける。

議論の目的:{商品名}のXアカウントから行う投稿のアイデア20個を出す。

 

#投稿アイデア・切り口に求められる要素

{商品名}の特性を活かす。

ユーザーからのいいね・リポスト・コメントが多く集まる投稿。

競合他社が実施していない意外性やひねりを取り入れる。

 

#アイデアの記載フォーマット

タイトル:アイデアの概要。

意外性のある部分:投稿のユニークな特徴。

ユーザーからの反応が期待できる部分:どのようにユーザーの関心を引くか。

 

#指示

AとBの2役が、交互にラリーを続ける形式で投稿アイデア・切り口を出し合う。

お題に対して議論をしながら、最終的に20個のアイデア・切り口を完成させる。

 今回紹介したプロンプトを基に、自社の状況や目的に合わせてカスタマイズし、実際に試してみることをお勧めします。生成AIを活用することで、これまで時間のかかっていた投稿切り口の作成プロセスを効率化できますが、最終的な判断は人間が行う必要があります。出力された案を精査し、実際の投稿結果を観察しながら、プロンプトも投稿内容も改善を重ねていくことで、より効果的なSNS運用が可能になるでしょう。

 次回は、より具体的な投稿の作成方法について共有します。

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この記事の著者

美川 貴彦(ミカワ タカヒコ)

株式会社ホットリンク アドテクノロジー本部 アドテクノロジー部 部長

2020年5月、ホットリンク入社。アドテクノロジー部の部長として、SNS広告運用業務に従事。2023年からは社内のAI活用プロジェクトを牽引し、部署を横断した業務の効率化に取り組む。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/12/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47538

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