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MarkeZine Day 2026 Spring

白メガネ野崎が突撃!次世代のトップランナーに聞く新時代のキャリア形成

コインチェック高尾さんに学ぶ、20代で成長業界のマーケに携わるキャリア形成


挫折を乗り越えるきっかけとなった、良い仕事が回ってくる人の条件とは?

野崎:インターンでのアドバンテージが効きづらいほどにレベル差があったのですね。その中でも、頭角を現したきっかけはあるのでしょうか?

高尾:上司に恵まれたことが大きいですね。私に案件を任せつつ、結果が出るようにサポートしてくれる方で、社内表彰にも後押ししてもらいました。それで私自身も「成果が出る感覚」がわかるようになりました。そこからは社内でも大きい案件が回ってくるようになったのです。今考えると、私は特にいい仕事を回してもらえていたと感じています。

野崎:社会人1年目の配属先やそこで達成した成果で、20代中盤から30代前半ぐらいまで、場合によっては取り返しがつかないぐらいの差が生まれます。高尾さんはそこでのチャンスを見事に掴んでいます。チャンスは平等ではないのですが、良い仕事が高尾さんに回ってきた理由に心当たりはありますか?

高尾:当時の局長に「いい仕事が回ってくるやつは、仕事をやり切るやつ」だと教えていただきました。成果も大事ですが、「失敗しても仕方ない」と思えるくらいやり切ったかが、次を任せる基準になると。それからは、どんな仕事でも「とにかくやり切る」ことを意識するようになりました。

野崎:「やり切る」と言うのは簡単ですが、何をもってやりきったと言えるのかも含めて、実際はとても難しいですね。

高尾:そうですよね。特に1、2年目は知見がないので、いかに時間と熱量を投下できるかです。私はとにかく時間をかけて気合で業務を終わらせていきました。成果を出さないとより大きい仕事もできないし、自分がやりたいことにもつながらない。次のステップはないと思っていました。やるしかないからやるって世界です。

野崎:その経験があっての今ですね。ワークライフバランスが注目される中、この努力をできる人が減り、差が開いていると感じます。やるなら20代前半ですね。30代~40代になると、プライドや体力の衰え、時間不足などでなかなかできなくなりますから。

高尾:20代後半は若さへの期待感もあり、チャンスを与えていただきやすい年齢です。ただ、20代前半の過ごし方で、任される内容は異なると感じています。最初はスキルと年齢に大差がないので、差がつくのはシンプルに仕事量だけです。集中してガッと時間を費やして成果を出すことで、頭一つ抜けられると感じています。

 目立つことができれば、チャンスが回ってきやすくなり、結果に関わらず貴重な成長機会を得られます。今思えば、そういった機会が現在の仕事の裁量や給与面に良い影響を与えてくれたと感じています。

マーケティングの管掌範囲を広げるべく事業会社へ

野崎:サイバーエージェントグループで社内表彰されるなどの活躍もあり、社内で新たな仕事や昇進も狙えたはずです。しかし、約2年半で現職のコインチェックに転職していますが、何が転機だったのでしょうか?

高尾:たとえば、担当する広告媒体を変えても、「広告運用」はマーケの一部分に過ぎません。できれば事業会社で、上流の戦略立案から携わり、幅広いマーケティング業務を学びたいと思うようになりました。

 また、自分が日頃使うサービスのマーケティングに携わりたいという思いもあり、転職活動を始めました。

野崎:担当領域の幅を広げたいと思った際、事業会社が他の選択肢より魅力的だったのですね。

高尾:そうですね。少数精鋭のチームでありながら、幅広いチャネルを駆使してマーケティングを行っていたので、キャリアとしてやりたいことができそうだと思いました。何度か面談をさせていただいて、コインチェックが1番合いそうだと思い、広告のインハウス担当として入社しました。

野崎:インハウス担当となると、これまで担当してきたLINE広告以外の媒体に関しても知識を得て運用する必要が出てくるはずですが、そのキャッチアップは大変でしたよね?

高尾:そうですね。ただ、自分自身もできる限りLINE広告以外の勉強をしたいと思っていたので、サイバーエージェント時代から他媒体についてもインプットしていました。

野崎:ここがキャリア形成の重要なポイントで、自分の職域だけでは知見が狭くなるので、実務の有無に関係なくインプットをすることはキャリアの選択肢を広げます。特に20代は可処分時間も多く取りやすいので、今の実務に直接は関係ない分野でもインプットをしておくことは読者の方にもおすすめです。

高尾:あとは偶然、会社の求めていた人物像に当てはまったのもあり、縁も感じました。入社後に知ったのですが、すぐに成果を求めるのではなく、若くて伸ばす余地がある人を探していたそうなのです。私は当時24歳で、実力というよりはポテンシャル採用の側面が強かったと思います。

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キャリアアップするなら、自分の上位互換がいない環境を選ぼう

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/04/09 16:22 https://markezine.jp/article/detail/47598

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