キャリアアップするなら、自分の上位互換がいない環境を選ぼう
野崎:24歳はポテンシャル採用枠である第2新卒のフェーズになるので、支援会社から事業会社への転身も叶ったのですね。サイバーエージェントグループに比べると圧倒的に社員数が少ない組織になるため、より自発的に動くことが求められる環境になったはずです。そこにはどう対応されましたか?
高尾:入社前からチームの人数やメンバーのスキルセットは知っておくようにしました。コインチェックにはマーケティングや暗号資産など様々な領域に関して専門性の高いメンバーが揃っていたので、学びながら成長できる環境があると思ったのです。

その反面、広告運用に特化したスキルを持った方はいなかったので、そこならバリューを発揮できると思いました。入社後はLINE広告以外の広告やアフィリエイト、SEOなど様々な施策をチームのメンバーに助けていただきながら覚えていきました。
野崎:入社先のメンバースキルを入社前や入社後早い段階で理解しておくのはポイントですね。事業会社のマーケティングはワンチームなので、同じスキルで競合する、自分の上位互換のような人がいると、チャンスが激減します。逆に自分だけがバリューを発揮できる領域があると良いですね。
ファーストキャリアで、やり切る力という社会人の基礎体力をつけ、2社目で成長環境に身をおいて、求められた職域で結果を出し、ポジションを確立していく。新卒から20代でキャリアを描く際のモデルケースと言えますね。
転職で当たりを引くには「意志」が大事
野崎:自分で道を切り開き、狙ったキャリア歩んできた高尾さんですが、現職の会社もまだまだ成長期でチャンスがゴロゴロと転がっている環境でしょう。今後のキャリアについてはどのようにお考えでしょうか?
高尾:ほかの方の話を聞いていると、キャリアには運も必要だと感じています。いい仕事が自分に回ってくるか、自分が担当したプロダクトを軌道に乗せられるかなどは、自分のスキルだけではどうにもならないこともあります。
それでも、いかに高確率で自分が理想とする仕事を見つけるか、自分が携わった仕事の成功率を上げるかを考えることが大事だと思います。転職に関しても、自分が活躍したりポジションを上げていったりするイメージが持てるまで、かなりの数の事業会社とカジュアル面談をさせていただきました。コインチェックとの出会いは縁ですが、意識して行動すれば偶然を引き寄せることもできると思っています。
野崎:転職はガチャと言う人もいらっしゃいますが、運任せにせずレア確定のように高確率で当たりを引ける方法はあります。それは高尾さんのように「どうなりたいか、何をしたいか」を明確にし、合致するところを見つけることです。
自分の意志を持ち、どのような環境ならそれが叶うのかと分析するのはマーケティングの市場理解に近い感覚があります。本来マーケターであれば得意なプロセスのはずなのに、多くのマーケターが自分のキャリアとなった瞬間になぜか運任せにしてしまうケースが散見されます。
高尾さんのように、自分がやりたいことを明確にしながら、市場や企業を調査して理解し、自身がバリューを出せるところに転職したり、社内異動したり逆算でアクションできると、高尾さんのようなキャリアプランが描けるかもしれません。
