NECグループの独立シンクタンク国際社会経済研究所(IISE)は、「ファンクラブ加入状況と公演チケット購入と推し活」の調査結果を公開した。
スクリーニング調査として、18~69歳の男女の一般生活者(n=1万937)、本調査として、過去2年以内に、音楽・演劇・演芸いずれかライブ・イベントのチケットを購入した人(n=1,216)を対象としている。
ファンクラブの加入状況
ライブ/イベントのチケット購入者におけるファンクラブの加入状況は、全体平均43%だった。 加入動機は、「先行チケット購入権(67%)」が突出して高く、次いで「アーティストを応援できる(33%)」、「限定イベントへの参加(29%)」と続いた。
チケット購入時の不満として、価格に関する不満が最も高く、「諸手数料などの追加料金」(30%)、「人気公演のチケットが買えない/買いにくい」(29%)と続く。チケット不正転売禁止法については、内容を含む認知率は59%だが、法律の内容提示後の賛成率は80%に達した。
全体の26%の人が「推し活を行っている」
推し活について、イベント参加に限定しない全回答者(1万937人)を対象に質問したところ、26%が「推し活を行っている」と回答した。特に29歳以下の女性では53%だった。
推し活を行っている理由として、「日常生活に喜びや充実感を感じたい」(46%)、「ライブやイベントに積極的に参加したい」(38%)との回答が目立った。
ネガティブな感情が推し活の高額支出につながる
「推し活への支出額」を「推し活に対する考え方・態度」別で見ると、他のファンに負けたくない」という意識を持つ人の支出金額が最も高く15万4,669円だった。
次いで、「推し活をやめられない義務感を感じる」人は14万2,551円、「推しのことで気持ちの浮き沈みが多い」人は13万7,452円。ネガティブな感情が高額支出につながっていることがわかった。
推し活に関するソリューション・ニーズ
「魅力を感じる仕組み」として、「ライブやイベントのチケット偽造防止やリセールでの透明性を確保する」が、最も高く29%、次いで「現地限定グッズの後買いサービス」が25%だった。
同研究所はファンとアーティストの価値共創の関係を作り出す「EX(エンターテインメント・トランスフォーメーション)」を新たに提唱している。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査
対象者条件:<スクリーニング調査>18~69歳の男女の一般生活者(n=1万937)、<本調査>過去2年以内に、音楽・演劇・演芸いずれかライブ・イベントのチケットを購入した人(n=1,216)
調査時期:2024年8月18日~8月27日
調査機関:株式会社国際社会経済研究所(IISE)
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