アウンコンサルティングは世界40ヵ国・地域を対象に、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査した。
今回の調査では、AIが自律的にタスクを実行する「AI エージェント」に関する検索や、OpenAI社が提供する画像生成機能を活用した、特定アニメ作品の作風に模した画像生成に関する検索など、各AIシステムの技術革新への注目が各国・地域の検索キーワードランキングに反映されている。

調査結果の概要は以下の通り。
中国発AIエージェント「Manus(マヌス)」への注目
中国のスタートアップ企業「Monica(モニカ)」により、自律型汎用AIエージェント「Manus」が2025年3月に公開された。Manusは一度の指示で自律的に内容を判断し、タスクを計画・実行・検証することを可能としており、自律性の高さや複雑なタスクへの実行力などで大きな注目を集め、34ヵ国・地域の検索キーワードランキングでランクインした。
DeepSeek(ディープシーク)に対する世界の反響
また、「DeepSeek」に関するキーワードが24ヵ国・地域のランキングにランクインした。DeepSeekは2023年5月に中国で設立され、2年後の2025年1月には、高性能な大規模言語モデル「DeepSeek-R1」を発表。安価なコストで高性能なAIモデルを実現したことや、その開発スピードなどが大きな話題となった。
画像生成機能の精度向上により流行した利用方法と著作権
OpenAI社が2025年3月に発表した、最新の対話型AIモデル「GPT-4o」のアップデートにより、画像生成の際に作風の指示が可能になるなど、高精度な画像生成機能の実装に注目が集まった。これを受けて、自身の写真やペット、風景などをスタジオジブリの作品に登場するようなアニメーション画像に変換して生成する利用方法がSNSを中心に世界で流行。
日本では「ジブリ 風 ai」、その他の国や地域では「ai 吉 卜 力 風格(AI ジブリ風)」「ghibli ai」「ghibli style ai」といった検索キーワードが、36ヵ国・地域のランキングにランクインし、注目度の高さが明らかになった。
ヨーロッパにおけるMeta AIのアップデート
2025年3月に「Meta Platforms, Inc.」により、ヨーロッパ諸国を中心にWhatsAppアプリへの「Meta AI」の正式導入が発表された。これにより、WhatsAppにおいて、テキストベースの質問応答やグループチャットへのAI参加、画像生成や翻訳などが効率的に行えるようになった
しかし、今回の調査における各検索キーワードのランキングでは「meta ai whatsapp deaktivieren(meta ai whatsappを無効にする)」などのMeta AIを無効にする方法を調べる主旨のキーワードがヨーロッパの7カ国でランクイン。多くのユーザーがMeta AIの機能の使用には慎重な姿勢を示していることがわかった。
調査概要
調査主旨:世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査
調査要綱:
対象国・地域: OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した40カ国・地域
検索キーワード順位データ:Googleトレンド
【データ取得条件】
検索キーワード:「AI」
対象期間:2025/01/15~2025/04/10
カテゴリ:すべてのカテゴリ
取得データ:関連キーワードを「注目」の指標で並び替えた上位10件を取得(※生成AIに関連しないキーワードは除外)
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