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【最終号特集】未来を創る、企業の挑戦

東京ドームシティが大規模リニューアル、世界一のエンターテインメントシティへの挑戦

映像と商業を掛け合わせ体験価値を高める

──リニューアル前後で、東京ドームシティの定義やターゲットとする顧客層、目指すユーザー体験はどう変わりましたか?

松浦:基本的には遊園地やホテルなど多くの施設があり、様々なイベントに来るお客様が一日で5万人程度いらっしゃるといったことは今までと変わりません。ただ、イベントに来られるお客様の体験価値については大きく変わったと思います。

 たとえば、以前は長時間ベンチに座って待つお客様も多かったのですが、今は休憩スペースや商業店舗が増え、周囲で飲食をしながら仲間と談笑できるスペースが格段に増えました。

 また、各所に大型LEDビジョンを設置したことで、アーティストの広告やイベント映像を様々な場所で映せるようになりました。多様な形状のLEDビジョンがあり、映像の見え方や内容が異なるため、お客様が各ビジョン前で写真を撮りながら回遊するようになりました。そういった体験がお客様の記憶に残り、SNSでの発信も非常に増えたことは大きな変化です。

田部井:今回のリニューアルによって特に非日常のユーザー体験について、商業で提供できる価値の唯一性やオリジナリティが増したと思います。パブリックスペースが非常に充実し、シームレスに回遊できるようになったおかげで、各所に商業テナントを多く配置することができました。

 これにより、東京ドームで行われるスポーツやエンターテインメントとテナントの商品を掛け合わせるだけでなく、遊園地の乗り物と飲食をセットにしたり、LEDビジョンの映像と商業のサービスを連動させたりすることも可能になりました。野球やコンサートの前後2時間も存分に楽しめるようになり、イベントを楽しむことに加えて新たな発見があるという、東京ドームシティの唯一性を提供できるようになりました。

──なぜLEDビジョンを導入することにしたのですか?

松浦:メジャーリーグのボールパークでは各所に大型フラッグや看板、オブジェなどがあり、ベースボールに関する様々な装飾が掲示されています。それは野球場の側面ではとても良いアイテムですが、私たちの施設ではコンサートも年70日以上開催されます。イベントごとに街の表情を彩るには、その日ごとに映像や風景をタイムレス、シームレスに変えられる装置が必要だったのです。そこでLEDビジョンを導入しました。

 既存の建物への設置なので、建物の構造や法律の問題、近隣住民への影響など様々な制約がある中でデザインしながら、国内最大級サイズのものを含め、全部で12ヵ所の大型LEDビジョンと23台の誘導案内用LEDビジョンを設置しました。お客様が驚くような映像体験を提供できるよう、ビジョンの大きさや形状をコスト面もマネジメントしながら設計しました。

──今回のリニューアルによってどのような新しい商業的な取り組みが生まれましたか?

田部井:今回のリニューアルで商業テナント区画が増え、街がシームレスになったことで、エンターテインメントのアーティストやコンテンツホルダーと連携したコラボメニューを年間15企画以上実施しています。これを楽しみに来場され、写真を撮るために1〜2時間並ばれるお客様も多いです。

 以前からジャイアンツの選手とのコラボメニューなどはありましたが、より幅広く、深掘りしてお客様に提供できるようになったのは今回のリニューアルのおかげです。テナント様からも「ぜひやりたい」とお声をいただけています。ともにチャレンジして成功した喜びを共有できていますね。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49136

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