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LINEマーケティング活用最前線(AD)

話題化と購買に寄与!花王「THE ANSWER」の大ヒットを支えたヤフーとLINE活用とは?

 発売約7ヵ月で累計出荷本数100万本を突破し、様々なアワードを受賞するなど売上・生活者からの評価ともに高い成果を出している花王のヘアケアブランド「THE ANSWER」。プロダクトの良さを伝え、ヒットへ導く施策として「Yahoo!ニュース タイアップ」と「LINE NEWS DIGEST Spot」の同時活用があったという。花王でTHE ANSWERを担当する山岡氏、プランニングを支援する博報堂DYグループの上山氏と山本氏、そしてLINEヤフーの矢島氏に戦略や具体的な取り組みをうかがった。

「THE ANSWER」を支えるマーケティング戦略

──最初に、花王のヘアケア事業における「THE ANSWER」の立ち位置や特長、現段階での売上などの業績について教えてください。

山岡(花王):現在、花王のヘアケア事業部では人間の本質的な感情を軸に各ブランドのポジションを定義。パッケージや製品体験、広告などを通じて、一貫して特定の感情ニーズを満たす設計を行っています。

 その中でもTHE ANSWERは「こだわり・調和」に対応するブランドで、信頼性のある設計と確かな根拠に支えられた製品体験を通じて、納得感や安心感といった理性的な感情に訴えかけるブランド構築を目指しています。

THE ANSWER

 おかげさまで、ハイプレミアム商品(1,400円以上の価格帯)ながら、2024年11月の発売から半年ほどで当初計画の2倍以上を売り上げ、好調に推移しています。

──プロダクトの成長を支えるマーケティングの基本戦略について教えてください。

山岡(花王):花王では商品のローンチやキャンペーン開始のタイミングで話題を創出し「山を作る」という基本戦略があります。今回のチャレンジは、従来のようなテレビCMで幅広く情報を届けるのではなく、オンラインのチャネルを用いて裾野を広げていくところでした。

花王株式会社 グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティーケア事業部門 ヘアケア事業部 シニアマーケター 山岡 智弘氏
花王株式会社 グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティーケア事業部門 ヘアケア事業部 シニアマーケター 山岡 智弘氏

 具体的には販売を開始した2024年11月からSNSを中心に美容感度の高い方々に対して熱量を高める施策を行い、商品に愛着を持っていただくことに努めました。そこに半年ほど時間をかける予定でしたが、想定よりも早く深度を保てたので、次のステップとして2025年1月に「山を作る」ことを目標に様々なメディアプランニングを検討していきました。

 1月に決めた理由は、新たな気持ちで自分に向き合う方が多い時期だからです。このタイミングで話題を創出したいと考え、「Yahoo!ニュース タイアップ」と「LINE NEWS DIGEST Spot」を同時に活用することにしました。

 両メディアに広告記事を掲出したのですが、掲載当日に広告クリックから記事読了、詳細検索の一連行動を喚起し、高い数値が出せました。さらに、施策実施の翌日には日別での購買シェアがアップし、THE ANSWER発売以来ベストを記録。話題化と購買への寄与を実現しました。

「情報収集に積極的な層」と相性がいいメディアを探した

──Yahoo!ニュース タイアップとLINE NEWS DIGEST Spotの名前が出ましたが、それぞれどのようなサービスですか?

矢島(LINEヤフー):Yahoo!ニュースは多くのユーザーが閲覧するニュースサイトです。特に、「Yahoo!ニューストピックス」は社会的な話題やトレンドに関心を持つ方々が集まる場となっています。

 Yahoo!ニュース タイアップでは、Yahoo!ニュースのユーザーを知り尽くした編集者がタイアップコンテンツを制作するとともに、「Yahoo!ニュース トピックス」直下に並ぶように掲載されるディスプレイ広告「Yahoo! JAPAN トップページ トピックスPR」からもコンテンツへの集客を行います。

LINEヤフー株式会社 ビジネスデザイン統括本部 第一ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティング3部 セールス3チーム リーダー 矢島 一希氏
LINEヤフー株式会社 ビジネスデザイン統括本部 第一ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティング3部 セールス3チーム リーダー 矢島 一希氏

 LINE NEWSはLINE公式アカウントの総友だち数4,300万人以上(2025年4月末時点)のメディアです。朝昼夕夜の1日4回、タイムリーなニュースをLINE公式アカウントからプッシュ発信している点が特徴です。LINE NEWS DIGEST Spotは、その配信メッセージ内の画像から、LINE内の記事へ誘導できる広告サービスです。

 実は、当社の両メディアを併用するという取り組みは今回が初の試みでした。世の中のトレンドに敏感な方が集まるYahoo!ニュースと、プッシュ型で情報が届くLINE NEWSを同時に活用いただくことで、多様なモーメントの方々に情報をお届けできると考えています。

──様々なメディアがある中で、なぜYahoo!ニュースとLINE NEWSを選んだのですか?

上山(博報堂):リーチとターゲットという2つの軸において、マッチすると考えたためです。

株式会社博報堂 ビジネスプロデューサー 上山 修一氏
株式会社博報堂 ビジネスプロデューサー 上山 修一氏

 まずリーチに関しては、瞬発的なリーチを実現できる施策は何かと考えていた際に候補に挙がったのが、Yahoo!ニュースとLINE NEWSという日本を代表するメディアでした。また、山岡様も言うようにTHE ANSWERのターゲット層は、研究熱心で情報収集に積極的な方々です。LINEヤフー様の両メディアは、情報に接触した際に記事をしっかりと読みたいと考える方々との相性も良いと考えました。

タイミングとクリエイティブが重要!

──ここから具体的な施策についてうかがっていきたいと思います。いつ、どのような枠で記事を公開したのでしょうか?

山本(Hakuhodo DY ONE):Yahoo!ニュースでは、1月18日土曜に記事を公開し、同日に「トピックスPR」からも誘導しました。LINE NEWSでも同じく1月18日の22時頃に配信される「LINE NEWS DIGEST」で記事へ誘導しました。

Yahoo!ニュースとLINE NEWSで公開された記事
Yahoo!ニュースとLINE NEWSで公開された記事

山岡(花王):掲載するタイミングはこだわりましたね。平日よりも休日のほうが実店舗での購入がされやすいので週末を狙いました。さらに、主要な販売店のキャンペーン実施日と連動させることで盛り上がりを作っていきたいと考えました。

矢島(LINEヤフー):クリエイティブにもこだわっていただきました。「トピックスPR」の見出しには「シャンプー迷子へ」という言葉を入れ、一方で「LINE NEWS DIGEST」は「ベスコス受賞」という言葉を入れることで、媒体に合わせて検討いただきました。

山本(Hakuhodo DY ONE):様々なニュースを取り扱うYahoo!ニュースやLINE NEWSと、身近なヘアケア商品のトーンの違いを懸念していましたが、うまく噛み合わせられたと思います。

株式会社 Hakuhodo DY ONE アカウントディレクター 山本 沙代子氏
株式会社 Hakuhodo DY ONE アカウントディレクター 山本 沙代子氏

上山(博報堂):THE ANSWERは「100年の答え」など比較的強いメッセージが多い点も、情報感度の高い方々とマッチしたのではないかと考えています。

翌日の購買シェアが過去最高に!

──本取り組みでの成果を詳しく教えてください。

矢島(LINEヤフー):大きな反響がありました。「トピックスPR」のクリック率が非常に高く、記事の読了率も通常より2倍ほど高い結果でした。記事の公開・配信日には検索数も急上昇していました。

山岡(花王):購買面でも実施直後に日別で最高のシェアが出ました。「山を作る」という目標はわかりやすく達成できたのではないかと思います。実績のあるテレビCMとは異なる、効果が未知数な新しい取り組みだったため、社内からは懐疑的な声もありました。しかし、これだけ明確な結果が出たことで、社内にも新しい成功事例を示すことができました。

 さらに、この成果は流通パートナーの皆様との関係にも良い影響をもたらしました。当初は商談で今回の取り組みの効果を信じていただくのが難しい側面もありましたが、結果的に「この施策のおかげで売上が伸びた。商品を導入して良かった」と評価の声をいただくことができ、信頼関係の強化にもつながっています。

「商品への信頼」を形成できる、LINEヤフーのメディア特性

──取り組み前の期待感と比較したとき、LINEヤフーのメディアおよび広告メニューをどう評価しますか?

山岡(花王):共感と納得を作ることができた点に大きな意味があると思います。従来の広告では、私たちメーカーが生活者の方々に対して一方通行でコミュニケーションを行うことが多かったと感じます。しかし、今回は取材していただくことで、第三者視点で記事が構成されています。

 特にYahoo!ニュースの記事では、冒頭に調査結果を盛り込むことで客観的な情報を提供しつつ、皆さんが「確かに、あるある」と共感してくださいました。その上でメーカーである我々が取材を受けて説明することで、納得していただけるという流れを作れたと感じます。従来の広告とは大きく異なる点ではないでしょうか。

Yahoo!ニュースの記事より
Yahoo!ニュースの記事より

山本(Hakuhodo DY ONE):さらに、記事を1回掲載したら終わりではなく、様々な活用方法がある点も大きいですね。実は現在も記事へ誘導しています。

 「多くの人が使っているから」「インフルエンサーが推奨しているから」という理由ではなく、商品やブランドへの信頼を重視した購入につながっていると感じます。

上山(博報堂):商品自体にこだわりがあり、きちんと語れる商材との相性の良さを感じますね。そのようなブランドならば、効果を実感できると思います。また、Yahoo!ニュースとLINE NEWSを掛け合わせることで、深い情報を自身で積極的に取りに行く人から、気軽に情報に触れたい人まで、幅広い層にアプローチできたと感じます。

 一方で「きちんと知りたい」と感じる方への情報発信なので、コンテンツの濃度やトーンはしっかり検討する必要があると思います。

“ヘアケア迷子”をなくす。誠実で、信頼されるブランドに

──今後、皆さんはTHE ANSWERのブランドをどのように育てていきたいとお考えですか?

山岡(花王):“ヘアケア迷子”となっている方々の悩みを解決していきたいです。ヘアケア商品はリピート率が5割に満たない現状があります。だからこそ、迷ったときに戻って来ていただけるようなブランドでありたいです。そのためには、誠実で、信頼していただけるような取り組みをブランドとして一貫して行っていかなければならないと思っています。

上山(博報堂):THE ANSWERは明確な世界観を設定した上でマーケティングを展開されています。今後も皆様と連携しながら、継続的な改善を図り、より良い提案を提供していきたいと考えています。

──本取り組みを通して、LINEヤフーでは今後どのような展開や提供ができそうだとお考えですか?

矢島(LINEヤフー):情報の信頼性という点でYahoo!ニュースとLINE NEWSだからこそ提供できる価値があると思います。また、現在はアルゴリズムの発達により、関心のある人にしか情報が届かない傾向が見られます。しかし、日々ニュースに触れる人々は新しい情報に敏感です。「Yahoo!ニュース タイアップ」と「LINE NEWS DIGEST Spot」を活用いただければ、普段美容系の情報に接していない層にもニュースを通じて情報を届けることができます。

 そして、データを活用してブランドにとって最適なタイミングを予測し、適切なコンテンツを提供することで、より再現性があり、効果の見込める情報発信が可能になると考えています。今後も、「Yahoo!ニュース タイアップ」と「LINE NEWS DIGEST Spot」を活用したご提案をしていきたいですね。

THE ANSWERの成長を支えるチームの皆さん

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:LINEヤフー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/28 10:30 https://markezine.jp/article/detail/49323