SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Autumn

マーケティング最新事例 2025(AD)

Z世代の2人に1人が視聴 キットカット「きっと青春の1ページ」に学ぶZ世代マーケの新定番

 従来型の一方通行な広告や、押しつけがましいメッセージに敏感なZ世代。企業がこれまでの方法でアプローチすることが難しいとされる中、ネスレ日本の「キットカット」は、OASIZとともにTikTok上に「きっと青春の1ページ」を立ち上げ、Z世代の心を掴み、共感と購買を生み出している。これまでの動画の総再生回数は1億回を記録し、Z世代のおよそ2人に1人が視聴した計算に(※)。さらに、地元高校と連携したキャンペーンでは、特定店舗でオフテイクが前年比2倍を記録するなど、ブランド好感度と売上の双方に効果を発揮している。年間を通じた“つながり”を軸にした新しいコミュニケーション戦略(Always onコミュニケーション)は、なぜここまでの成果を生んだのか。ネスレ日本の村岡慎太郎氏、OASIZの江藤優氏にその舞台裏を聞いた。(※TikTok Studioにおけるユニークユーザーベースの数値をもとに推定換算)

Z世代に“従来型の広告”は通用しない?

MarkeZine編集部(以下、MZ):本日は、ネスレ日本がOASIZと実施されたZ世代向けのコミュニケーション戦略についてお話を伺います。まず最初に、ネスレ日本ではZ世代をどのように捉えていらっしゃるのか教えていただけますか?

村岡:Z世代は、これからの日本の消費を担う存在として、私たちにとって非常に重要なお客様だと考えています。今後10年、20年と時が進む中で、消費の中心はZ世代へと移っていきます。だからこそ、「キットカット」をはじめとした当社ブランドに、彼ら彼女らが親しみを持ち、長く寄り添っていただける関係を築くことが、私たちにとって大きなテーマだと捉えています。

ネスレ日本株式会社 コンフェクショナリー事業本部 インツーホーム マーケティング部長 村岡 慎太郎氏
ネスレ日本株式会社 コンフェクショナリー事業本部 インツーホーム マーケティング部長 村岡 慎太郎氏

MZ:OASIZはZ世代に響くコミュニケーションを得意とされていますが、御社のご紹介とZ世代向けの施策を考える際のポイントを教えていただけますか?

江藤:OASIZは、TikTokなど縦型動画に特化した「ネクストジェネレーションカンパニー」です。創業から4年で、これまでに2,700本以上の動画を制作し、総再生回数は15億回を超えています。メンバーの平均年齢は27歳、クリエイティブ制作チームは平均23歳という非常に若い組織で、大企業向けのソリューションを展開しているのが特徴です。

株式会社OASIZ CEO 江藤 優氏
株式会社OASIZ CEO 江藤 優氏

江藤:Z世代は、他の世代とは異なり、テレビCMを通じてブランドを知るのではなく、SNS上で既につながっている人たちから情報を得ています。いわば、従来型の広告手法が届きにくい世代です。

 また、ITリテラシーが高く、他世代よりも広く・深くコンテンツに触れているため、企業からのメッセージにも非常に敏感です。一方的な広告に対してネガティブな印象を持ちやすい一方で、「良い」と思ったものは自分から積極的に発信していくという特徴もあります。

Z世代の「日常」に入り込む Always onコミュニケーション

MZ:「キットカット」は幅広い世代に親しまれている商品ですが、ネスレ日本では現在、どのような戦略で展開されているのでしょうか?特にZ世代へのアプローチについて伺えればと思います。

村岡:キットカットのようなお菓子は衝動買いが多い商品であるため、いかに日常の中で思い出してもらえるか、つまり「想起される機会」を作ることが非常に重要です。多くの菓子メーカーは、3月や9月の棚替えタイミングに合わせてプロモーションを集中させますが、私たちはそれに加え、年間を通じた接点づくりも強化しています。OASIZさんとの取り組みもその一環です。

 たとえば、2003年から継続している「受験生応援キャンペーン」のようなシーズナル施策に加えて、常にユーザーとつながる“Always onコミュニケーション”を掛け合わせることで、ブランドとの接点を日常的に持ち続けてもらうことを意識しています。

 キットカットの主力商品はスーパーマーケットで販売されており、購買者は保護者や塾の先生など、「学生を応援したい方々」が中心です。これまでのコミュニケーションは、そうした大人に向けて行うもので、学生はその先にいる間接的な存在でした。

 一方で、私たちはZ世代の学生にも直接アプローチしたいという思いがあります。ただ、これまでのような一方向的な広告では、彼らには届きづらく、むしろ「押しつけがましい」とネガティブに捉えられてしまうリスクもあります。結果として、ブランドの価値やメッセージがうまく伝わらない——そんな課題を抱えていました。

次のページ
TikTokで“好き”を育てるIP戦略「きっと青春の1ページ」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
マーケティング最新事例 2025連載記事一覧
この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社OASIZ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/07/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/49472

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング