直接的な購買効果に加え、販促の「起爆剤」にも
MarkeZine:DearOneは、広告主視点での「ARUTANA」の価値はどういった点にあると考えますか?
川村:やはり特筆すべきは、ラストワンマイルで認識される広告の効果の高さです。たとえば、「ザバス」のテレビCMを見たからといって、その日にすぐ購買につながるわけではありませんよね。リテールメディアを通して、買い物の直前に商品を再度認識してもらうことで、購買への直接的な効果が高まります。

南口:購買への貢献という広告効果に加え、副次的な効果として、販促や売り場作りを推進していくための「起爆剤」になるという一面もあります。
「ARUTANA」の広告配信によってお客様が商品に興味を持ち、店頭まで足を運んでくれたとしても、もし売り場に商品がなければ機会損失につながってしまいます。リテールメディアへの出稿は、マーケティング部門から営業部門へ「販促を強化してほしい」と伝える際のプッシュ材料となりますし、営業担当から小売各社のバイヤーへ提案するフックにもなり得るのです。関係者全体を巻き込んで、販促強化に向けた意識を高めていける点もメリットだと思います。

川村:さらに、複数のリテール企業に一括で配信でき、クリエイティブの入稿形式や配信単価がある程度統一されている点も、プラットフォームならではの特長です。なお、配信結果はメディア毎に提示できますので、具体的なフィードバックを活かし、広告施策や販促活動のPDCAを回していただくことが可能です。
割引訴求は意外と効かない?クリエイティブ構成のポイント
MarkeZine:では、「ザバス マッスルエリート」での「ARUTANA」活用について具体的に教えてください。リテールメディアではしばしば、「予算をどこから捻出するのか」が論点となりますが、今回はどうされましたか?
平松:マーケティング部門が管轄する販促費から予算を確保しました。このような事業全体に影響を与える施策はマーケティング部門、個別の販促は営業部門の管轄となっています。既存の広告媒体の位置づけに当てはめるのは難しいものの、会社全体としてリテールメディアを強化していかなければならないという意識はあり、「ザバス マッスルエリート」発売開始に合わせた2ヵ月間のトライアルに踏み切った形です。
MarkeZine:広告にはクーポンなども付けたのでしょうか。
平松:いえ、「ARUTANA」配信ではクーポンはつけておらず、あくまで新商品の立ち上げ期における商品認知・理解促進を主目的としました。
今回は従来のWeb広告とは別に、リテールメディア専用のクリエイティブを新規作成しました。リテールメディア用のクリエイティブを作る上で意識したのは大きく3点です。

1つ目は、様々なバナーが並ぶリテールアプリ内でも目立つよう、金色を使ったクリエイティブで視覚的に差別化したこと。2つ目は、あえて「ザバス」のロゴは控えめにして、「ザバス マッスルエリート」の商品名を強調したこと。3つ目は、「ザバスから新発売」という文言を入れ、既存の「ザバス」ユーザーにも関心を持っていただけるような構成にしたことです。
MarkeZine:ちなみに、リテールメディアではどのような広告クリエイティブが効果的な傾向にありますか? ドラッグストアのアプリを見ると、値引きやポイント還元の訴求が多い印象があります。
川村:実は、具体的な数字を前面に出した値引き訴求やポイント訴求は、既にお客様側で「慣れ」が生じてしまっているため、あまり効果が期待できないのです。マーケター視点で数字を目立たせたくなる気持ちもわかるのですが、数字より商品自体の名前やビジュアル、特徴をはっきりと打ち出すほうが効果的です。「ザバス マッスルエリート」は、インパクトのあるネーミングをクリエイティブではっきりと打ち出していた点も、成功要因の1つと考えています。
MarkeZine:リテールメディアならではのクリエイティブの傾向があるんですね。今回の配信ターゲットについても教えてください。
平松:今回は「ザバス」を含む「プロテイン過去購入者」というターゲットに絞って配信しました。ターゲティングはリテール側とも相談しながら、要望を汲みつつ調整しています。
販促施策にも認知施策にも最適なリテールメディア
複数のリテール公式アプリに一斉に広告配信ができ、購買タイミングに届く × 購買データで効果検証が可能です。出稿効果がID-POS連携でレポーティングもできます(購買数・ROAS)。本記事で興味を持たれた方は、ぜひARUTANA公式サイトよりご相談ください。