4つのクレドを部署別・具体的な言葉で整理
MZ:ブランドブックは本間ゴルフのみなさんにとって、どのような存在になっているのでしょうか。
小川:ブランドブックは「我々の価値はどこにあるのか」を立ち返って確認する場所となっています。特に、今回定めた4つのクレド「軸はブラさない。」「セオリーは捨てる。」「世界に目を向けよう。」「ゴルファーであれ。」 は、各部署に落とし込みながら作っていった部分でした。どの部署であっても、このブランドブックに沿って行動すれば、「本間ゴルフの真髄」を見失うことなく歩めるはずです。
「伝統」ではなく「血統」の理由とは?
MZ:今回ブランドを再定義するにあたって、あえて「変えたところ」と、逆に「変えなかったところ」があれば教えてください。
小川:変えてはならないのは「技術とプライド」、変えなければならないのは「成功した過去にすがること」です。本間ゴルフは脈々と受け継がれてきた技術を活かして、柔軟に変化しながら高品質な製品を生み出すブランドであるべきでしょう。「TW777」のキャッチコピーである「血統、昇華。」に、その想いを込めました。
外山:老舗企業では「伝統」という言葉をよく使いがちですが、本間ゴルフ様は「血統」です。ここが重要なポイントです。
MarkeZine編集部(以下、MZ):なぜ、「血統」なのでしょうか?
小川:たとえば、「血統」という言葉がよく使われる競走馬のサラブレッドは、伝統の血筋にその時々での最良の血筋を掛け合わせることで、品種改良を重ねていきますよね。本間ゴルフも同様です。
ドライバーのヘッド部分が木製だった時代から現代にいたるまで、「どうしたら曲がらずに飛ばせるか」を考え抜き、その時々の技術を掛け合わせてきました。逆に、競合他社に対抗するためだけに作った製品は売れませんでしたね。認知度やマーケティング力の高いライバルに打ち勝つにはやはり、長い歴史があるからこそ継承できる「血統」を重視すべきでしょう。
外山:それを踏まえて、「TW777」にはトレードマークである「モグラ」のロゴを入れたり、ヒット製品の復刻デザインを使ったりといった、「血統」を「昇華」させるための工夫を詰め込んでいます。

MZ:本間ゴルフの想いをブランドブックや「TW777」に落とし込むうえで、読売広告社として意識した観点はありますか。
外山:「脚色しすぎないこと」ですね。小川社長や現場のみなさんの熱量を、できるだけそのまま捉えることを大切にしています。また、各部署からは「いきなりメッセージを発信しても響かないのでは」と懸念する声が挙がっていたからこそ、会議やヒアリングを重ね、丁寧に時間をかけてアウトプットしていきました。
私や読売広告社が作ったというより、本間ゴルフ様と一緒になって、ワンチームで作り込んでいったプロジェクトという認識です。

