マーケティング施策に不可欠な「示唆」を出す
――ピジョンのマーケティング部リサーチグループの役割について、教えてください。
(写真右)同部 マーケティング戦略グループ 小林 梨沙 氏
冨田:商品・マーケティング戦略に生かせる示唆を出すために調査することが、リサーチグループの役割です。社内状況を把握しつつ、調査で得たユーザーの実態やニーズなどを関連部署へ共有し、実際の企画に役立ててもらう、という流れです。商品企画だけでなく、販売戦略、プロモーション施策など、伴走する領域は多岐にわたります。
――同じ部署内のマーケティング戦略グループでは様々な商品カテゴリについて施策の企画と実行を担うそうですが、どのように連携を取っていますか?
小林:施策を考える際などには、リサーチグループのメンバーに加わってもらうことも多いです。検討中のコンセプトが受け入れられるユーザーの規模感、価格設定に対するユーザーからの購入意向度などはリサーチグループが実施した調査結果から得られるデータや示唆を活用しています。そうした事情からもリサーチグループに対する社内の期待は大きいです。
冨田:市場には商品が溢れているため、お客様から価値あるものとして選んでいただくには消費者のインサイトや潜在ニーズをいかに掴むかがますます重要になっていると感じています。
「無意識の分析」「スピード感」を求めて行動データを活用
――近年では、調査分析環境の強化の一環として、LINEヤフーが展開するデスクリサーチツール『DS.INSIGHT』を導入、活用の幅を広げていらっしゃいます。既存の分析の手段や成果にどのような課題を感じ、活用に至ったのでしょうか。
冨田:理由は大きく分けて二つあります。一つは、既存の手法でユーザーのインサイトや潜在ニーズを捉えることの難しさです。従来のアンケート調査、インタビュー調査などにもそれぞれ強みはあります。一方で、従来の手法では、回答者自身が調査に協力していると意識しており、ノイズを生んだり、バイアスがかかっていたりするケースもあると考えていました。潜在ニーズを探るのは容易ではありません。もう一つはクイックな調査の必要性です。より素早い判断が成果を左右する状況では、当然リサーチにもスピード感が求められています。
「ユーザーのニーズをより潜在的なレベルで、クイックに理解できないか」と考えていたときに、『DS.INSIGHT』を知り、2022年に導入しました。

『DS.INSIGHT』は、ふとした疑問があるときに気軽に使い、結果をデータで視覚的にわかりやすく見ることができます。また、ユーザーが日常で何気なく商品ページへ行くときの検索キーワード、実際に購入まで至ったかなどの行動データが分析できる点は大きなメリットに感じました。行動データを活用できるからこそ、見えづらい無意識、潜在ニーズを読み解くことに役立っていると感じます。
――既存の調査手法と比べて、『DS.INSIGHT』を活用することで、調査期間をどれぐらい短縮できたのでしょうか。
冨田:調査の内容や種類にもよりますが、一般的に、調査を開始してから示唆出しまでには、2ヵ月程度かかります。しかし、『DS.INSIGHT』を活用してデータ分析をすることで、そのときに知りたい課題に対する示唆を1日もかけることなく、得られることもあります。最近は、『DS.INSIGHT』からの出力データを従来の調査データとかけ合わせて考察し、示唆を出すようなケースも頻繁に見られるようになってきました。

