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広告は数字と競争から抜け出せるのか 小島よしおさんと考える、愛されるコンテンツの話

 博報堂のクリエイターたちが「今会いたい有識者」と語り合う対談シリーズ。今回は、お笑い芸人として活動しつつ、昨今はYouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」など教育関連の取り組みにも注力している小島よしおさんと、博報堂/SIXでクリエイティブ・ディレクター/ストラテジストの藤平達之さんが対談します。広告とコンテンツの違いや、ロジックだけに頼らないことの重要性など、おふたりの対話から見えてきた、愛されるコンテンツの、そしてそれを生み出す人のあるべき姿とは――。

リサーチなどのインプットから「良いもの」は生み出せるのか?

藤平(博報堂) 本日はよろしくお願いします。まずは私から、今回「小島さんとお話したい!」と考えた理由をお伝えさせてください。

 我々は、世の中から見ると「広告」を作っている会社というイメージだと思います。一方で、最近は広告以外を手掛ける事例も増えており、実は私の仕事も大半がブランドパーパス(存在意義)を体現するための広告“以外”の領域の仕事です。直近では、Webドラマ、ファッションアイテム、株式投資サービス、プロジェクター付きシーリングライトなどを担当しております。これは例えば、Webドラマ“の広告”ではなく、ドラマそのものを企画・制作している形です。

小島 プロジェクター付きシーリングライト! 我が家にも設置されているものかもしれません(笑)。

藤平 子育て中のご家庭にとくに人気なので、その可能性は高そうです(笑)。広告以外のクリエイティブワークに携わっていると、まだそこまで経験値が多くないこともあり、広告制作以上に、主観(自分の想い)と客観(生活者の気持ち)のバランスをどう取るべきかに悩むことが多いんです。

 たとえば、先ほどのプロジェクター付きシーリングライトの場合は、お子さんを育てているご家庭にお邪魔をして子育ての悩みや部屋ごとの役割などを徹底的にインタビューし、アプリケーションやコンテンツを開発しました。投資サービスの場合は、“億り人”と称される億超えの資産を保有する投資家に会いに行き、初心者の投資デビューの持論をレクチャーしてもらいました。こういうように、慣れていないがゆえに、どちらかというと「客観」を正確に把握するフェーズに時間をかけることが多いです。

 というなかで小島さんにお声がけした理由ですが、「そんなの関係ねぇ」という、これどうやったら思いつくんだ?(笑)という突破力のあるギャグもあれば、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」など、教育領域のコンテンツも作られている。この振れ幅はどうやって生まれるのか、そして、主観と客観のバランスはどうなっているのだろうといった疑問があるわけです。

──小島さんの主観と客観のバランス、非常に気になります。たしかに、最近の小島さんは、お笑いだけでなく教育関連の取り組みも数多くされている印象です。これまでとは毛色が違う活動ですが、どんなきっかけがあったのでしょうか。

小島 結構シンプルなのですが、コロナ禍の影響で全国の学校が休校になったとき、知り合いの作家さんから「教育の領域にチャレンジしてみるのはどうか」と提案してもらい、先ほど触れていただいたYouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」を始めたのがきっかけです。するとありがたいことに注目いただいて、だんだんと教育関連の仕事が増えていった形です。

 僕のこれまでを振り返ると、自分でやろうとしたことはなかなか上手くいかないことが多かったのですが、逆に誰かから誘ってもらったり、アドバイスをもらったりして取り組んだことのほうがスムーズにいきがちなんです。

お笑い芸人 小島よしおさん
お笑い芸人 小島よしおさん

──それが自然発生的なものだったのかはさておき、小島さんであれば、お笑いに加えてYouTubeや書籍、藤平さんも広告だけでなくさまざまな領域のクリエイティブに携わっている分、インプットもさまざまなジャンルにわたるのではないかと思うのですが、普段はどのようにされていますか?

小島 難しい質問ですね。藤平さんは映画・ドラマや本ですか?

藤平 映像や本もたくさん見たり読んだりするようにしているのですが、実は私のキャリアのスタートは「リサーチャー」という名刺でした。その名残からか、あの手この手で調査をすることを“直接的な”インプットにしています。先ほどのようなインタビュー調査もありますし、この間はフィールドリサーチとして日本のあるエリアに1週間ほど滞在して写真を撮りまくりました。もちろんアンケート調査も行いますし、事例をみんなで分析するケーススタディ調査、有識者へのヒアリングなどをすることもあります。何が突破口になるかはケースバイケースなのですが、多面的なリサーチは、クリエイティブをより良くしてくれると信じています。

小島 おもしろいですね。そういったインタビュー調査は、どれくらいされるんですか?

藤平 直近担当したリブランディングのプロジェクトでは、さまざまな方へのヒアリングは、合計すると40~50人、計40時間ほど行いました。我々の世界では「5人に聞けば8割のことがわかる」と言われているのですが、一方で、「残りの2割は100人くらいまで広げないとわからない」と思っています。クリエイティブはどちらかというと「その2割を理解できるか」という勝負なので、毎回100人を調査することは難しいとしてもなるべくそこに近づきたいと思っています。

博報堂/SIX クリエイティブ ディレクター 藤平達之さん
博報堂/SIX クリエイティブ ディレクター 藤平達之さん

 実際、「インプットをしているほど予想外のアイデアに到達できる」ということを最近実感しているところでもあります。“天才肌”と称される人って、無意識のインプット量がとても多いんですよね。通勤の電車で見た風景、何気なく見聞きした会話、そういうものが脳内にアーカイブされていて、ふとした瞬間に連鎖して新しいアイデアになる――。単なる思いつきではなく、良質なインプットがアイデアに化ける瞬間はたしかに存在しており、とくにクリエイティブディレクターの先輩やクライアントの経営層の方に多い印象です。

小島 なるほど。ただの「思いつき」ではなく、「洗練された直感」を生み出す能力ということでしょうか。

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理屈を超えて愛される「そんなの関係ねぇ」は、偶然の産物だった

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The Expert Sessions by HAKUHODO 百花繚乱のクリエイターとトップランナーの語り場連載記事一覧
この記事の著者

鬼頭 勇大(キトウ ユウダイ)

フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/18 09:02 https://markezine.jp/article/detail/50380

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