新しい親の役割 見えない重圧に光を当てる
Lingokids - The Trial
幼児向け教育アプリを提供するリンゴキッズ(Lingokids)は、子どものスクリーンタイムに不安を感じる親に向けたキャンペーンを展開しました。
映像の中で親たちは、まるで裁判にかけられるかのように登場します。「あなたは良い親なのか?」「あなたの選択は間違っていないのか?」といった問いを投げかけられ、社会からの目や期待の中で判断を迫られる姿が映し出されます。そして、物語の後半では、子どもたちが弁護人として現れます。そこで語られたのは、親を責める言葉ではなく、日々への感謝の言葉。そして最後に裁判官が下したのは「罪悪感を抱くことへの罪」。親たちが罪に問われる存在ではないことを示し、この“裁き”そのものを終わらせたのです。
このキャンペーンでは、子どもを育てる中で生まれる重圧や葛藤に光を当て、親たちが抱える見えにくい負担を社会に問いかけるものとなり、大きな話題を呼びました。これに併せて、リンゴキッズに向けられる、スクリーンタイムを一律に否定する風潮に対しても、理解を促しています。
親になることのプレッシャー
Havas社の調査によると、親になることは多くの人にとって、人生における大きな喜びであり、幸せの源であると捉えられています。一方で、子どもを育てることには大きな責任が伴い、その重さを実感している親も少なくありません。
なかでも「良い親であるべき」「正しい育て方をしなければならない」といった、社会からの無言のプレッシャーの中で、親たちは常に判断を迫られていることがわかります。その結果、子育てに対する理解や共感を、社会から十分に得られていないと感じる声も多く見られます。
では、こうした社会的なプレッシャーや理解不足は、具体的にどのような形で表れているのでしょうか。次に、いくつかの事例を通して見ていきたいと思います。

Burger King – One Day, Your Kids Will Thank You
バーガーキングは、親がすべてを一人で抱え込まなくても良いことを示すコミュニケーションを行いました。社会から「良い親であること」を求められる日常の中で、その先にある「報われる未来」が対比的に描かれています。
調査では、食事が家族を結びつける重要な時間である一方、その準備や確保に十分な余裕がない現実が示されており、本キャンペーンは、親の現実に寄り添いながら、ときにはバーガーキングに頼ることも、無理のない選択肢の一つである。そんなメッセージが込められています。
Massmutual - Learn More About Retirement Planning
マスミューチュアル(MassMutual)は保険・金融サービスの会社です。同社のフィルムでは、庭で遊ぶ子どもたちを眺めながら、両親が将来への期待を込めた会話を交わします。「トムかな?」「ダニーかも」「マギーじゃない?」。しかし遊ぶ様子を眺めるうちに、その表情は次第に不安へと変わっていく……。実は二人が気にしているのは、子どもたちの将来性だけでなく、自分たちが老後に経済的な支援を受けられるかどうかでした。物語の最後、父親がぽつりとつぶやきます「もう一人、産む?」。
思わず笑ってしまう展開ですが、調査からは、親が将来のお金について大きなプレッシャーを感じていることがわかっています。子どもにかかる教育費だけでなく、自身の老後資金や、将来子どもに何を残せるのかといった点も、親にとって重い悩みとなっているのです。
