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MarkeZine Day 2026 Spring

事例を通して見る世界のマーケティング/ブランディングのトレンド

新しい“家族”のかたちを調査と事例で紐解く。若者が家族づくりに消極的な背景とブランドの寄り添う表現

親の役割は「プライバシー管理」にも波及

T-Mobile - A Message From Ella

 大手通信のT-Mobileは、デジタル時代における子どものプライバシーと、大人の無自覚な行動に警鐘を鳴らすキャンペーンを展開しました。動画では、成長して大人になった子どもの視点から、幼い頃に撮影・共有された自分の写真や情報が、知らないうちにオンライン上に残り続けていた事実が語られます。

 このように、子どもの情報や安全を守ることは、現代の親に求められる重要な責任の一つとなっているようです。調査からも、多くの親が、子どものソーシャルメディアの利用や情報の扱いを適切に管理することを、自分たちの役割だと捉えていることがわかります。

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 このように、調査や事例が示しているのは、親の役割がこれまで以上に深く、広がっているという現実です。食事や教育、将来のお金、そして子どものプライバシーまで。親に求められる判断は多岐にわたり、その一つひとつに社会からの視線が注がれています。

“理想の家族”の崩壊。ブランドに求められるものは?

 本記事では、事例や調査データを通して「新しい家族」のあり方を見てきました。家族はもはや血縁や制度に限定されるものではなく、愛情や支え、選択や記憶によって形づくられる、より広い存在へと変化しています。一方で、親になることに求められる役割は広がり、教育や経済だけでなく、デジタル環境や子どものプライバシー管理まで担う必要があります。その結果、「正しい親であるべきだ」という社会からの期待は、以前にも増して強まっています。

新しい家族の在り方

  • 血縁や形式ではなく、愛情・選択・記憶によって成立
  • 家族以外も含む、緩やかな社会基盤としての広義な「家族」

新しい親の役割

  • 幸福なだけでなく、教育・経済・情報管理・将来の責任まで引き受ける行為

 「家族は柔軟であって良い」とされながら、親には重い責任が求められる。若者が家族の価値を認めつつも、その選択に慎重になる背景には、このように矛盾した期待があるのかもしれません。また友人、コミュニティと過ごす生き方など、幸せの選択肢が広がったことで、形式的な家族が「唯一のゴール」ではなくなっていることも、その理由の一つと言えるでしょう。

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 ブランドは長い間「理想の家族像」を描くことで、その商品がある暮らしをわかりやすく伝えてきました。家族は多くの人にとって身近で共通の存在であり、理想を重ねやすい題材だったからです。しかし、家族のあり方や親の役割が変わるなかで、ブランドコミュニケーションの役割も少しずつ変化しています。今求められているのは、完成された理想を見せることではなく、現実の暮らしを肯定する姿勢かもしれません。

 思い描く理想との「途中」にある家族、迷いながら向き合う親、そして一つに定まらない多様なかたち。そうした日常に寄り添い、ともに歩む存在であることが、今のブランドに求められているのではないでしょうか。

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この記事の著者

北市 卓史(キタイチ マサシ)

HAVAS JAPAN 株式会社   Executive Director

営業職をベースに、国内と海外にて広告代理店の会社/新規事業立ち上げに従事。2022年より世界149カ国にオフィスを展開する広告代理店であるHAVAS社の日本法人の現職に就任。多様性のある職場や働き方、他国オフィスとのオペレーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/02/25 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50447

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