KPIを「量から質」へ。勇気あるピボットでCVR約6倍を実現
アプリの立ち上げなど大きなプロジェクトにおいて、起こりがちでありながら深刻な問題に「目標設定のミス」がある。アプリ導入当初、ワールドパーティーは売上から逆算して「10万ダウンロード」をKPIに設定していた。しかしその達成を追う中で、本来の目的からずれていることに気づいたという。
「ダウンロード数を追った場合、ダウンロードクーポンなど過度なインセンティブ施策を投じる必要性が出てきました。これでは当初の目的から離れてしまうと気づき、一旦立ち止まって社内で話し合うことにしたのです。そして、インセンティブ施策だけに頼るのではなく、顧客との接点を育成しながらダウンロード数を追うという方針へと、思い切って転換することにしました」(深代氏)
ダウンロード数の目標は1万ダウンロードへと引き下げ、「顧客とのタッチポイントの育成」を優先。その結果、目標は既に達成し、量より質を追った結果として購買力の高いユーザー層との接続に成功している。
たとえば、アプリ経由のオンライン購入のCVRはECサイト単体に対して平均約6倍を記録。「MGReの設計を用いた直感的なUIと、ロイヤリティの高いユーザーがアプリを使っていることの相乗効果だ」と山地氏は分析する。
会員ランクの面でも、最上位ランク「RAINBOW」(年間購入額1万5,000円以上)のアプリ会員構成比は非会員比2.5倍、第2位ランク「RAIN」も2.2倍となっており、アプリ利用頻度の高いユーザーほどロイヤリティが高いことがデータで示されている。
「これら上位ランクのお客様はLTVが高く、アプリで長期的に育成していくことで、結果として盤石な売上基盤が作れると言えます」(鯨岡氏)
アプリ限定クーポンでリピーターが3倍に
ワールドパーティーは2026年2月、また新たな取り組みとしてアプリ限定クーポンを配布した。毎年2月は同社の新商品の発売時期にあたる。ロイヤリティの高いアプリ会員は新商品への反応が得やすいと見て、あえて発売初期に限定クーポンを投入することで初動購入の促進とリピーター喚起の両立を図る狙いだ。
「アプリ限定クーポンを利用したユーザーの半数以上がリピーターという数字が出ています。アプリ会員以外も対象にしている別のクーポンと比較すると、リピーターの構成比が3倍になっていまして、アプリ限定という特別感が継続利用とF2転換を促す効果があったと捉えています」(山地氏)
売上への影響も顕著だった。EC全体のCVRが0.9%であるのに対し、クーポン実施期間中のアプリ経由CVRは19%を記録し、約21倍の差が生まれた。さらに平均商品単価は前年比115%、平均注文金額は116%、全体EC売上は127%に達した。アプリ導入からまだ1年も経っていない段階でこのような成果を挙げている。
鯨岡氏はセッションの締めくくりに、今回の事例を「便利さ(OMO)×楽しさ(ロイヤリティ)=LTV向上」という方程式として整理した。OMO基盤の整備と診断コンテンツ、クーポン施策が連動することでCVR6倍・上位ランク会員化・売上増という成果に結びついていることを示している。
ワールドパーティーは今後、スタッフコンテンツのさらなる強化を進めながら「傘はファッションだ」というブランドスローガンを、アプリを通じて体現していく方針だ。深代氏は「今後もアプリを通じて顧客理解度を深めていければ」と語り、山地氏は「柔軟で幅広い取り組みができるMGReを活用しながら、もっとアプリを盛り上げていきたい」と展望を述べた。
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