高いも低いも、キーワードの条件次第
冒頭の話にもどろう。「キーワード広告のクリック率2%」という数字が、高いか低いかという判断は、キーワードの条件次第だ。
たとえば、「病名」の広告のクリック率は1位表示してもだいたい1%~3%程度にしかならない。なぜか? 「病名」を検索する人は、「まだその病気にはなっていないが、その可能性があるのでは?」と心配している人の方が圧倒的に多いからである。
「糖尿病」というキーワードは月間検索数が15万件以上にもなるビッグキーワードは、ほとんどの場合「もしかして俺ってやばいんじゃあ? 糖尿病ってどんな症状が出るんだろう?」と心配しているだけだ。すでに病気になっている人の方が少ないので、糖尿病を改善する商品やサービスを告知してもクリック率が低くなるのは当然、ということになる。つまり、冒頭の相談者の質問は、「悩み自体が間違っている」わけだ。

インターネットは目に見えない世界だ。それゆえ「コントロール不可能なことをコントロールしようとする」的のはずれた問題を解決しようとする人が本当に多い。限られた経営資源でビジネスを行うならば、「この問題はそもそも取り組むべきなのか?」ということをいつも考えるべきだ、と私はいつも考えている。