予測不可能といわれた「ゲリラ雷雨」をとらえた!
ゲリラ雷雨は、予測の難しさと短時間にもたらされる大きな被害によって、今年の夏の大きなニュースとなった。そんな中、全国1万人以上の一般の人たちから寄せられる“感覚”に基づく感測情報を収集・解析する手法をとっている民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」は、ゲリラ雷雨を高い確率で予測することに成功した。
ウェザーニューズは、ゲリラ雷雨が発生する可能性がある場合、その危険性を事前に携帯電話に知らせる「ゲリラ雷雨メール」を7月30日から展開。それを支えたのがゲリラ雷雨に関するリポート発信する“ゲリラ雷雨防衛隊員”と呼ばれる1万人以上もの登録会員たちだった。
隊員は、事前に地点を登録し、ゲリラ雷雨の可能性がある気象条件がそろった場合、携帯電話を使ってその地点を重点的に感測し、ウェザーニューズのサイトで、現在の天気、雲のある方角、雷鳴の有無だけでなく、“肌で感じた感覚”などを入力し、写真などを併せて送信する。“ゲリラ雷雨”の予測では、このほかにも「10分天気予報」と呼ばれる10分単位での降雨情報の利用者100万人(月間ユニークユーザー数)からのリポートも活用している。
これによって、東京都では76.7%、大阪府では62.5%、愛知県では63.9%、福岡県では71.7%のゲリラ雷雨を捕捉。実際に雨が降り始める何分前に「ゲリラ雷雨メール」が送られたかを見ると、平均して東京都は38分前、大阪府は8分前、愛知県は19分前、福岡県は29分前となっている。ゲリラ雷雨の捕捉率は、そのエリアでの参加人数が増えれば増えるほど上がる傾向があり、エリア(10kmメッシュ)内に参加者が150人以上いる場合の事前捕捉率は平均で90.9%、「ゲリラ雷雨メール」の事前平均時間は62分前という結果も出ているという。
隊員たちの声「誰かの役にたちたい」「楽しかった」
ウェザーニューズでは、ゲリラ雷雨対策サービス「ゲリラ雷雨メール」に関して、隊員1万人と「ゲリラ雷雨メール登録者」4万人を対象にアンケート調査を行い、19,124件の回答を得た。
「『ゲリラ雷雨メール』は役立ったか」との質問には、49%の人が「かなり役立った」、43%の人が「まぁまぁ役立った」と回答し、全体の92%が評価。また、「『ゲリラ雷雨メール』を来年も利用したいか」についても、全体の94%が「利用したい」と回答している。一方、ゲリラ雷雨防衛隊員に参加理由をたずねたところ、「誰かの役に立ちたいから」が58%、防衛隊としての活動についての感想では「楽しかった」との回答が68%にもおよんでいる。
ウェザーニューズでは、ゲリラ雷雨に関する解析を引き続き実施し、来年度以降の対策を進めていくとしている。
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