SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第113号(2025年5月号)
特集「“テレビ”はどうなる?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界別SNSマーケティング戦略━━具体的なTipsで学ぶ成功のヒント

コスメのSNS戦略、本当にそのブランドに合っていますか?UGC創出から考える活用術

 コスメ業界のSNSマーケティングでは、「コスメ=Instagram」という前提が語られがち?本当にすべてのブランドにとってそれが最適なのだろうか。価格帯や販売チャネル、ターゲット、商品カテゴリーによって、選ぶべきSNSも、発信するべき内容も大きく変わってくる━━。企業のSNS活用を戦略的に支援するホットリンクのSNSコンサルタントが執筆を担当し、各業界の特性に即したSNS活用方針や実践的なTipsを伝えていく本連載。今回はコスメ業界におけるSNS活用の基本姿勢と、UGC(ユーザーによる口コミ)を引き出すための視点について、経験の深い担当者が解説。ブランドに応じた見直しのヒントをお届けする。

コスメブランドのSNS活用、「当たり前」を疑うべき理由

★前回記事はこちらから

 コスメや美容商材は、生活者と企業の両面でSNS活用が活発な業界の一つです。生活者の視点では、若年層を中心に、商品を購入する前にUGCを確認する行動が一般化しています。たとえば、同年代や似た肌悩みを持つ人のリアルな声、パーソナルカラーとの相性などを参考にしながら、「自分に合う商品をきちんと選びたい」と考えるユーザーが増えています。SNSは生活者にとって、化粧品や美容商材の購入時に大きな影響力を持っているのです。

 一方で、ブランド側の視点に立つと、コスメブランド特有のSNS活用の難しさがあります。他の業界と比べて制限が多く、ブランド特性も多岐にわたるため、一つの成功事例をそのまま別の商品やブランドに適用することが難しいと言えます。

 たとえば、SNSでは親近感のある投稿が反響を呼びやすいものの、高価格帯のブランドであれば、ブランドイメージの維持も大切です。SNSライクな“くだけた”口調や自由な表現は、取り入れづらい場合も多いでしょう。もちろん、薬機法に配慮した表現も求められますし、さらには継続的な投稿に必要な写真素材の確保やクリエイティブ制作も課題に……。

 このような状況下で、限られたリソースを効果的に活用するには、ブランド独自の最適なSNSマーケティング戦略を立てることが重要です。他ブランドの成功事例を参考にしつつも、そのまま模倣するのではなく、自社の特性に合った戦略や運用方針を見つけることが成果につながります。

「流行っているから」ではなく「合っているから」

 では、どうすれば「自社の特性に合ったSNS活用」を設計できるでしょうか。筆者は、「ブランド特性」と「SNS媒体の特性」を掛け合わせることが大切だと考えています。

 ブランド特性には、商品カテゴリー(メイク、スキンケア、ヘアケアなど)、販売チャネル、価格帯、ターゲット層、新商品の発売頻度などが含まれます。次の表の通りです。

画像を説明するテキストなくても可
クリックすると拡大します

 SNS媒体の特性としては、各プラットフォームの投稿形式や拡散性、どのような属性のユーザーが利用しているのかなどを考慮する必要があります。

画像を説明するテキストなくても可
クリックすると拡大します

 たとえば、新規顧客の認知拡大を目指す場合、拡散性を重視したSNSの選定が有効です。特にXは、リアルタイム性とシェアのしやすさという設計上、情報が短時間で広がりやすい傾向があります。TikTokを選択する場合には、利用者層とブランドのターゲット層が合致しているかを確認しましょう。

 「あのブランドがXでバズっていたから」「TikTokが今流行っているから」という理由だけで発信先のプラットフォームを選んでしまうと、思うような成果につながらないケースは少なくありません。価格帯や購買導線、求められる情報の粒度が異なるため、同じ施策でもユーザーの反応は大きく変わります

 では、どのような掛け合わせ方が有効となるのでしょうか? 戦略の考え方をお伝えするため、具体的に2例を紹介します。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
    ※プレミアム記事(有料)は除く
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
プチプラとデパコス、それぞれのSNS戦略はここが違う

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界別SNSマーケティング戦略━━具体的なTipsで学ぶ成功のヒント連載記事一覧
この記事の著者

渡辺 李咲(ワタナベ リサ)

ソーシャルメディアコンサルティング本部 アカウントコンサルティング1部 部長

IT企業の広報・PRを経て、国内化粧品メーカー2社でデジタルを中心としたPRやEC・SNS運用に計6年間従事。2021年8月にホットリンクへ入社し、飲料メーカーやコスメブランドなどのコンサルティングを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/06/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49186

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング