「伝える人からそれを知りたい人へ」をテーマに、新たなサービスを創造する
1000万人を越える読者に向けて、PC版約3万、モバイル版約8000もの無料メールマガジンを配信している株式会社まぐまぐ。インターネットサービスの多様化を受けて、メルマガという財産を活かしたサービスを多数開発してきた。ジャンル別ポータルサイトや有料サービスである「まぐまぐ!プレミアム」をはじめ、モバイルへの進出も目覚ましい。
最新のサービスとしては、2008年5月にサービスインしたオンラインレッスンの総合サイト『echole(エコール)』、そして、同年9月には自身のナレッジによる電子書籍や音声・動画ファイルなどを販売できる『まぐまぐ!マーケット』などがある。こうした新規事業の企画立案から構築までを担っているのが、企画開発部の松田誉史氏だ。
「新規事業を企画・開発し、自社のリソースや世の中の流れなどに鑑みつつ具現化して世の中に提供していくのが私の仕事です。まずは社内で続々と上がってくるアイディアを関係部署や経営層と吟味し、具体的にどんなサービスにするか計画を立てます。そしてゴーサインが出たら仕様を固め、社内のWeb制作部門や外部のシステム構築会社などに依頼し、完成までプロジェクトマネジャーとしての役割を担うわけです。もちろん法務や運用サポートといった他部署とも、直接やり取りしながらサービスインを目指します。
簡単にお話しすると、組織的に仕事をしているように聞こえるかもしれませんが、まぐまぐではルールがほとんどないので、フリーハンドで仕事を進めているという感じでしょうか。たとえば、決裁についても同じフロアに社長がいて『ちょっといいですか~』と話がはじまりますし、『エコール』は中途入社してきた部下が入社試験時に考えてきたアイディアがもとになっているんです。彼は入社後そのまま『エコール』の担当になり、私と一緒にプロジェクトを進めてきたんですよ」
新規事業というと、綿密なリサーチや準備、社内的な根回しなどからはじまるイメージがあるが、そこもまぐまぐではフリーハンド。日々の雑談やユーザーからの要望、『エコール』のように入社希望者のアイディアがすぐに形になっていく。
「変化の激しいネットの世界で、新規事業を立ち上げるまでに縛りがあれば大きな足枷になりかねません。フリーハンドというのは、アイディアを形にする上で最も適したスタイル。でも、それを実現するためには、アイディアの源泉となるユーザーをよく知り、チームワークがよいなど環境が重要です。まぐまぐにはそうした文化と風土がしっかりと出来上がっていると思いますね」
松田氏が所属する企画運営部には現在8名のスタッフがいる。新規事業を1~2人で担当し、部長である松田氏は自らの担当の他に、部下のサポートや相談役としての役割も兼ねる。
「プレイヤーとなれば何でも自分でやり通したい方ですが、マネジャーとしてはできるだけ担当者に任せて、とことん相談役としての立場に徹します。心がけていることといえば、とにかく否定しないこと。相手の話を聞いて、相手が自分で答えを見つけるまで付き合うことでしょうか。企画開発の仕事は『こんなことできたらいいな』という曖昧なイメージを利益が出る事業として具現化していく、そのギャップが悩みどころであり、楽しさだと思うんです。自身が担当するプロジェクトが実現したときはもちろん、部下がその喜びを実感しているのを見ると、喜びもまたひとしおです」
そんな松田氏は、部下や取引先からも「話しやすくて、放任主義」と見られているのではないか、と自己分析しつつ笑う。
「いや、どんな判断をするのか、信頼しているからなんですけどね(笑)。信頼するには、オンオフ関係ない話まで含めて話をして、相手の考え方や価値観を知ることが大切でしょう。昨今メールで済ませる風潮がありますが、私は顔を合わせて話すことを重視しています」
そんな松田さんのある1日をのぞいてみよう。(この続きはCAREERzineでどうぞ!)