ミッション:「プーペガール」の代表として「明るい未来」を示し、事業を大きく育てる
インターネット総合サービス企業として、さまざまなWebサービスを展開しているサイバーエージェント。平均年齢28歳という若いパワーを武器に、次々と新事業を立ち上げ続けている。2007年2月にブログサービス「Ameba(アメブロ)」の一部としてスタートした、ファッションコミュニティ「プーペガール」もその1つ。自分自身の分身である人形「プーペ」を着せ替えたり、仮想通貨「リボン」でアイテムを売買したりしながら、ファッションを通してコミュニケーションを図ることができる。若い女性ユーザーの心をくすぐる細やかな仕掛けが受けて、開始から1年足らずで約1年半で18万人の会員を集め、月間約3億PVを誇る人気SNSとなった。
今回ご紹介するのは、その「プーペガール」にプロデューサーとして関わり、2008年3月に株式会社の設立とともに代表取締役に就任した森永佳未氏である。
お会いして、まるで「プーペガール」から抜け出てきたかのような雰囲気に驚いた。森永氏も「ええ、誰にも負けないくらいプーペガールの世界観に浸ってます。一番のヘビーユーザーかもしれませんね」と笑う。
「代表取締役といっても、実際にはそれまで担ってきたプロデューサーとしての仕事とさほど変わりはありません。事業としての戦略立案からはじまり、具体的な施策案へと落とし込み、社内外のさまざまな協力者とともに形にしていく。そのためには、全員が共有できる『ストーリー』を創り出さなくてはなりません。その過程で不可欠な『ユーザー視点』において、実際のターゲットと近い感性を持っているというのは大きな強みだと考えています」
プーペガールは、「Ameba(アメブロ)」のコンテンツとして誕生した、いわばサイバーエージェントの社内ベンチャーだ。森永氏はスタートより半年後にプロデューサーとして参加し、さまざまな施策を打ち出して若い女性の心を捉え、同サービスの独立へと導いた。会社設立と同時の社長就任を、当人は「プロデューサーとして、事業の責任者だったから流れで」と謙遜するが、急成長の功績が認められての抜擢に間違いない。
「事業を進めていく上で、最も大切にしているのが『バランス』でしょうか。多くの方々が関係しているだけに、利害関係が相反することも多々あります。たとえば、営業担当者とエンジニアでは、ユーザーの見え方もニーズに対する対峙の仕方も異なることが多く、軋轢も生じがちです。
またプーペガールとAmeba(アメブロ)、プーペガールとサイバーエージェント、というように組織間による考え方の齟齬もあります。もちろん、私の中にもサービス提供者側とユーザー側の2つの視点がありますし、チーム内でもさまざまな意見がさまざまな立場から出てきます。それらを全て受け入れて、理解して、その上で決断していく。そしてその方針を明確化し、誰もが理解できるように伝えていく。その結果、サービスが大きく成長し、多くの方々に受け入れられていく。それが私の仕事だと考えています」
理解し、理解してもらうために、まずは日常的な雑談も含めて頻繁に話を聞き、わかりやすい図や言葉で資料を作成するなど工夫は怠らない。さらに、感情に訴えるべきか、ロジカルに説明すべきか、相手に併せたコミュニケーションを心がけているという。その傾向は、代表取締役としての役割が増してますます強まったと語る。
「たぶん、仕事の内容や、周りのみんなへの対応など、外側はほとんど変化がないと思います。でも、私の内側で大きく変わったことが1つ。もっと大きな『明るい未来』を夢見て、それをみんなで共有したいという気持ちが強くなったことでしょうか。日々の仕事をしっかり進めるためのコミュニケーションも大切ですが、そればかりじゃつまらない。『大きな目標を共有して一歩一歩進んでいく』実感を、創る側の全員で共有したいし、ユーザーにも感じてもらいたいと思うんです」
そんな森永氏は、どんな1日をすごしているのだろうか(この続きはCAREERzineでどうぞ!)