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MarkeZine Day 2026 Spring

Web心理マーケティング入門

心理学を融合することで最適なWebマーケティングを導きだす


「新近効果」とWebの罠

 より正しい選択は「2」である。根拠を考えよう。何故、優先順位が高いAを前に持ってくるのか。単純な話である。メールマガジンを受け取った全員が最後まで見てくれるわけではない。メルマガの冒頭から離脱が始まるのだ。離脱されてしまうと「新近効果」は、全く機能しなくなってしまう。故に、ユーザーが離脱する前に優先順位が高い商品を我々は提示する必要があるのだ。それでは次に、比較対象を「3」と「1」に移そう。

 さてこの場合、判断に悩むとは思うが、誰に向けてメールを配信しているのか? どういう人がアクションを起こしやすいのか? を考えてみて頂きたい。6年間運営されているECサイトであれば、そのサイトにはファンが育っていると考えて良いだろう。つまり、そのサイトのロイヤリティーが高いユーザーの存在である。

 確かに全体の総ユーザー数に比べて、そのようなロイヤリティーの高いユーザーは一部であるかも知れない。しかし離脱せずに最後まで読んでもらえる「コアなファン」は、サイトにとって大切な顧客であり、また長期にわたりアクションを起こしてもらえる貴重な存在である。そういったユーザーに向け、「新近効果」を考慮した仕組みを取り入れるべきである。その仕掛け作りこそがプロのマーケターの仕事であるといえるだろう。

 単純に、心理学の「初頭効果」と「新近効果」を取り入れただけでは、「3」の施策を行う事はできない。これは、Webマーケティングと心理学を応用して生まれる「Web心理マーケティング」だからである。

Web心理マーケティングを考慮した回答
Web心理マーケティングを考慮した回答

 何気ない1つの選択を行わせるのは、仕掛けを作る側の努力の結晶である。プロのマーケターであるならば、メール配信という仕事をただの日常作業と捉えるのではなく、「どこに」「なにを」「何故」配置すべきなのか、日々根拠をもって業務の最適化に取り組んでいくべきである。次回は人に与える色の効果について説明致したい。

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この記事の著者

原田 学史(ハラダ タカフミ)

株式会社クリエイティブホープ 取締役CMO Webコンサルタント
中央大学卒業 1976年生まれ 神奈川県出身
大学在学中に起業し、1996年より海外からアパレル・雑貨を中心とした商材を仕入れ、国内でネット通販事業を開始。大学卒業後、現GMOインターネットに入社。現在に至るまで一貫してWeb業界に籍を置き、クラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/11/19 14:25 https://markezine.jp/article/detail/5892

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