SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

第6回 すぐ使える! アクセス解析サービス/ツールの選び方


画像単位で、アクセス数が分かる!

「サーバに記録されたアクセスログを解析するタイプ」のアクセス解析ツールの特徴は、ログに記録されたWebサイトへのアクセスを、とにかくすべて記録できてしまう点です。

 Webサーバへのアクセスは、ページのHTMLファイルへのアクセスだけではありません。例えば画像ファイルであったり、JavaScriptやCSSファイルなど、1つのページは複数のファイルから構成されている場合が多いのですが、それらのアクセスはすべて別々にログに記録されるようになっています。

 そしてアクセスログを直接解析すれば、それらすべてをチェックすることができますから、それぞれのデータを独立して解析することが可能なのです。つまり「どのページがどれくらいアクセスがあったのか」ということだけでなく、それぞれの画像単位で、どれくらい読み込まれたかといったことも解析できるのです。

 またそれ以外にも、Webサイトでエラーが発生した場合は、エラーの発生が記録されますし、リンク切れなどのために発生する、存在しないページへのアクセス(これもエラーの一種ですが)も記録されているので、これらの解析も可能です。

 例えば誤ってページ内にリンク切れが発生していた場合に、これにアクセスしてしまった人が何人いたかとか、Webページに使われているプログラムがエラーを発生させていて、そのために何回分のアクセスが正しくページを表示できず、どれだけの機会損失が生じたのか、といったことも分かるのです。

 ただし解析可能な情報は、アクセスログに書き込まれた情報だけになります。第1回でも述べましたが、アクセスログはそもそもアクセスを記録して、後からそれをチェックするためのものです。したがって、それを解析することは、アクセス解析の手法としてはもっとも正しいと言うことができます。

 しかし、アクセスログはもともとサーバの管理や、安定運用などを目的としたものであるため、例えばサーバへの攻撃の記録や、エラーの頻度など、どちらかといえばサーバ管理者やエンジニアよりの情報が主に取得しやすくなっています。

 一方で、アクセスに来た人がどのページにどれくらい滞在し、どのようなリンクをたどって、何ページくらいにアクセスしたのか、といった個々の利用者の行動に関する解析は苦手です。なぜならWebへのアクセスが、そもそも1回1回独立していて、「どれとどれが同じアクセスなのか」が分からない仕組みになっているからです。

 もちろん、これまでに説明してきた個々のアクセスのIPアドレスやリファラー情報、ユーザーエージェント情報から、ある程度の類推は可能で、実際にそうした解析を行ってくれる解析ツールもあります。しかし、ある程度の類推が入ってしまうのは事実なのです。

次のページ
アクセスログ解析タイプのメリットとデメリット

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/01/25 13:15 https://markezine.jp/article/detail/608

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング