メールマーケティングを設計する際、大きくわけると「リストビルディング」「シナリオ設計」「配信」「検証・改善」の4つのポイントがあります。ひとつずつ具体的に内容を紹介していきましょう。
リストビルディング
リストビルディングとは、自社のメールを受け取ってもらう見込み客のメールアドレスを集めることです。ここでは、いかにクオリティの高い、すなわち顧客になる見込みのより高いユーザのメールアドレスを収集し、集めた情報をデータベース化することがポイントです。
Step1 見込み客の獲得
見込み客獲得方法を選定します。広告・アフィリエイトでウェブサイトの資料請求・メルマガ登録を促進する方法や、店舗で会員登録を受け付ける方法などが考えられます。
Step2 DB化・セグメント化
集めた見込み客の情報をデータベース化し、セグメントするためにどのような情報項目が必要なのかを決定します(名前・年齢などの基本属性、購入履歴など)。
Step3 DBの追加・更新
顧客情報の追加・更新方法を確認します。メールマガジンの登録・解除などは、なるべく人を介在させず、ウェブでの登録・解除が直接データベースに反映できるような自動化を行うのが望ましいです。
シナリオ設計
誰に、何を、どのタイミングで配信するのかをプランすることを、シナリオ設計と呼びます。このシナリオ設計如何で、メール配信の効果が大きく変わります。シナリオ設計には3つのポイントがあります。
セグメンテーション
まずは、「誰に」を特定するために、顧客情報をセグメンテーション(属性分け)します。同一メールを大量配信する場合と、セグメント別に異なる内容のメールを配信する場合では、メールの開封率とクリック率に大きな違いが現れます。
米国の調査によると、同一メールの配信では平均で開封率が4.14%、クリック率が0.48%だったのに対し、セグメントしたメール配信では開封率が30.86%、クリック率が6.68%まで上昇したという結果が出されています。
クリエイティブマネジメント
メールのクリエイティブは広告とは異なり、販促に近くよりパーソナルな言葉使いや表現が必要です。また、ブロードバンドの普及により、ユーザはストレスなくHTMLメールを受信できるようになったので、ビジュアル的な表現力もユーザの興味を引き、コンテンツを読ませるのに効果があるようです。
ユーザの眼球の動きを測定するツールを開発した米国のEyetools社によると、テキストメールより、HTMLメールのほうが注視する頻度が高く、メールの最後まで良く読まれたという結果が出されています。ただし、フィッシング詐欺のようにHTMLメールを悪用したものが出回り、セキュリティ対策からメールソフト上でHTMLメールを読み込まない設定をしているユーザも増えつつあるので、クリエイティブはテキストとHTMLの両方を準備しましょう。
Step1 コンテンツタイプの決定
HTMLメールを見られないユーザもいるので、テキストとHTMLの両方を用意するほうがベストです。
Step2 コンテンツ作成
件名、コンテンツ、配信元情報で1セット。必ずメールの登録解除などの基本情報を入れます。
Step3 リンク先の設定
多くのメール配信システムでは、メールのコンテンツ内にあるURLのクリック数をカウントするための設定を容易にできる。必ずURLはカウントできるよう設定します。
Step4 検証
メールの開封率や、コンテンツ内URLのクリック状況により、件名やコンテンツの検証・改善を行います。
タイミング
いつ、どのくらいの頻度でメールを配信するのかで、ユーザの反応は異なります。扱う商材や、メールの内容によりユーザの反応が高い曜日・時間帯が異なる場合もあり、また、頻度が高すぎてもユーザに嫌われる場合がありますし、頻度が少なすぎてもユーザがメールをオプト・インしたことさえ忘れ去られることもあります。米国の調査によると、メールをオプト・インをした日から30日以内に配信されたメールの開封率・クリック率が最も高く、時間が経つほど開封率・クリック率が下がるという結果があります。ユーザの興味が冷める前に、コミュニケーションを開始するのも、ひとつのポイントといえます。