MarkeZine(マーケジン)

記事種別

第2回 IPアドレスを理解してアクセス解析結果を“正しく”理解する(後編)

2006/07/28 12:00

第1回では、Webの仕組みが実はアクセス解析に向いていない、ということについて解説しました。今回からは実際の解析結果を見る際に、知っておくとより理解が深まる技術的な事柄について紹介していきます(後編)。

IPアドレスは共有されている

 アクセス解析の結果を知ることのできるIPアドレスは、必ずしもひとつのIPアドレス(ホスト名)が一人の利用者を表しているとは限りません。IPアドレスを共有する仕組みが存在しているため、複数の利用者からのアクセスが、同じIPアドレスからのアクセスとして記録されているケースもあるのです。 この仕組みは、ちょうど電話の内線の仕組みとよく似ています。組織内(たとえば企業内など)のネットワークとインターネットの間に「ルータ」と呼ばれる切り替え器のようなコンピュータを置き、そこにIPアドレスを振っておきます。そして組織内のコンピュータには、内部専用のIPアドレスを振るのです。

 組織内のコンピュータがインターネットにアクセスするときには、必ずルータを経由し、そこで内部用のIPアドレスが外部用のIPアドレス(つまりルータのIPアドレス)に変換されてアクセスが行われます。その結果、その組織内のすべてのコンピュータからのアクセスは、同じIPアドレスとなるのです(図7)。ちょうど内線電話から外に電話をかけると、電話を受けたほうにはその企業の代表電話番号が通知されるのと同じです。

図7 IPアドレスを共有する仕組み

 たとえば筆者のブログには、筆者の前職の企業からのアクセスが頻繁にあります。かつての同僚などが見ているのでしょうが、すべてのアクセスが同じホスト名からのアクセスになってしまうため、何回そのドメインからアクセスがあったのかはわかりますが、いったい何人くらいの人が見ているのかはわかりません。

 このような仕組みになっているのは、ひとつにはIPアドレスの数が足りない、ということがあります。IPアドレスはインターネット上の「住所」ですから、同じIPアドレスを2台以上のコンピュータに割り当てることはできません。そしてIPアドレスの数は、256の4乗で表すことができるので、大体40億程度です。この数は地球の人口よりも少ない数であり、現在のコンピュータの増加を考慮すると、かなり少ない数といえます。

 そのため、たくさんのIPアドレスを確保して利用することが難しくなってきており、ひとつのIPアドレスを共有する仕組みが作られました。さらに、こうした仕組みを作ることで、外部から、その組織内のコンピュータに直接アクセスするためのIPアドレスが存在しなくなることで、セキュリティの面でのメリットもあります。

 ただし、こうした仕組みはアクセス解析をする側に立って考えると、ちょっと不便な仕組みともいえます。特に個々の利用者を識別することに関しては非常に不便なのですが、JavaScriptを利用することで、「内線番号」にあたる内部のアドレスを知ることも一応可能です。この方法については、回を改めて紹介することにします。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

All contents copyright © 2006-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5