IPアドレスからのアクセス元の地域特定(2) ホスト名からの解析
アクセス解析ツールによっては、より詳しいアクセス元、たとえば日本でも何県からのアクセスか、といったことを解析してくれるものもあります。このようなよりより詳しいアクセス元を知るための方法のひとつとして、ホスト名をより詳しく解析する事が挙げられます。ホスト名にはアクセス元の組織の情報が含まれているわけですから、そこからアクセス元の地域を割り出すことができるわけです。たとえば筑波大学(tsukuba.ac.jp)からのアクセスなら、筑波からのアクセスでしょう。同様に、企業からのアクセスで、その企業が一ヶ所にしか事業所が無い場合には、その場所からのアクセスです。たとえば筆者が勤務する株式会社はてなは、東京に一ヶ所オフィスがあるだけですから、「hatena.ne.jp」というドメイン名からのアクセスは必ず東京からのアクセスだということになります。
また、一般家庭向けのプロバイダであっても、たとえばケーブルテレビのように特定の地域のみでサービスを提供してる場合には地域の限定ができます。たとえば「kcv-net.ne.jp」は川越ケーブルテレビのドメインですから、埼玉県川越市からのアクセスであることがわかります。さらに全国展開をしているプロバイダであっても、OCNでは「○○kanazawa.ishikawa.ocn.ne.jp」のようにホスト名のなかにそのIPアドレスが割り当てられている地域の名前が入っており、こうしたホスト名であれば地域を特定することができます。
しかし、拠点をいくつも持っている企業からのアクセスでは、ドメイン名がわかっても、それがどこの事業所からのアクセスなのかまではわかりません。さらに全国展開している大手のプロバイダの中には、IPアドレスを全国で使いまわしていることもあり、こういったケースでは、タイミングによっては同じIPアドレスでも地域が変化してしまうため、そもそも特定することができません。さらにホスト名に変換できないIPであれば、そもそもホスト名を使った地域の特定は不可能です。