ドロップシッピングで個人を応援する会社、もしも
景気不安の波が、じわじわと押し寄せている。しかし、ただその状況を悲観的に見ているだけでなく、新しい行動を起こし、生活防衛をはかる人が増えているようだ。
「最初は健康器具が売れ筋でしたが、最近はミネラルウォーターのまとめ買いであるとか、日用品を安く注文するお客様が増えているようです。加盟店も昨年秋以降から急激に増え、サラリーマンの副業や主婦の方のお小遣い稼ぎに、当社のドロップシッピングが使われるようになってきました。お子さんに資産を残したいと理由から、60歳過ぎの男性が始めて、月に1,000万円の売上げを記録したケースもあるんですよ」
こう話すのは、日本に初めてドロップシッピングを導入した、株式会社もしも(以下、もしも)代表取締役の実藤裕史氏だ。今回は、eコマース市場で頭角を現す同社について、設立の経緯から事業内容、今後の展望などをうかがった。
平均年齢27歳、36人の社員で「ノーリスク」を支える
ドロップシッピングとは、個人が手軽に開けるネットショップのことで、最大の特徴はショップオーナー(加盟店)が商品価格を設定でき、さらに在庫リスクを抱えずに済むこと。購入者と商品の販売元(ベンダー)の間に立ち、ウェブ上で商品の紹介・宣伝を行えばいいのだ。
なお、もしもドロップシッピングの場合、商品価格はベンダーが指定した最低販売価格以上にすればよく、その差額が収益となる。商品の管理や発送はベンダー側が行うので、加盟店が管理業務に追われることがない。これが、商品の仕入れから宣伝、発送まで手がけなければならない、通常のネットショップとは異なる点だ。
さらに、もしもドロップシッピングでは、購入者からの問い合わせや注文対応、発送処理といったカスタマーサービスや返品業務までを、もしもが代行。さらに、ショッピングカートも提供しているので、ブログやホームページがあれば簡単に運営ができて、しかも、これらサービスやツールは、すべて無料。パソコンさえあれば、誰もがノーリスクで始めることができるのだ。ちょっとした手軽な時間にできるのも特徴で、サラリーマンの副業等にうってつけなのは、こういった理由による。
この、ドロップシッピングというサービス。2000年くらいからアメリカで始まり、いまやネット通販の売上げの3割を占めるほどだという。日本では、2006年に設立した、もしもが導入したのをきっかけに、急速にマーケットは拡大。加盟店、ベンダー、購入者ともに右肩上がりで成長を続けている。
現在、もしもの加盟店は22万件、500社のメーカーが商品を提供し、アイテム数は計4万点。ブランド品から家電、化粧品、食品まで、幅広いラインナップを取り揃えている。現在の社員数は36名。平均年齢は27歳。実藤氏も29歳と、若くエネルギーに満ちた会社だ。(この続きはCAREERzineでどうぞ!)