人事担当者の4割が「2010年度は氷河期」
楽天リサーチとみんなの就職株式会社は、2010年度新卒採用に関するインターネット調査を実施した。1月に行われた調査では、楽天リサーチ登録モニターのうち全国の20~60代の男女計500人の人事担当者を対象に実施した。
2010年度の就職戦線についてたずねたところ、「氷河期」と答えた人が48.7%で最も多くなっている。しかし、「どちらでもない」が30.5%で2番目に多く、「超氷河期」という回答も16.9%に達している。この就職戦線の評価については、従業員規模、業種によってもばらつきも見られる。
2010年度の新卒採用人数についてたずねたところ、最も多いのは「昨年に比べ採用人数は横ばい予定」の41.2%で、「減らす予定」は26.8%、「増やす予定」は10.0%となっている。「2009年度より採用人数を減らす」と答えた割合が全体より10ポイント以上高いのは、「卸売・小売業」「金融・保険業」「複合サービス事業」。一方、「採用人数を増やす予定」と答えたのは「医療・福祉」で、全体より10ポイント以上高くなっている。
地道な就職活動を行う学生、ストレスコントロールを重視する人事担当者
就職活動を行う学生に対して、人事担当者はどんな変化を感じとっているのだろうか。昨年と今年を比較した学生の行動変化については「就職活動に不安を感じる人が増えた」が最も多く、以下「エントリー数が増えた」「説明会等イベントの参加者が増えた」「企業研究をしっかりするようになった」など、学生の就職活動への地道な取り組みが垣間見られる結果となった。
その一方で「大手志向が強くなった」や「終身雇用を意識する人が増えた」は10%台にとどまり、人事担当者は就職先を確保しておきたい学生の焦燥感を感じ取っているようだ。
また、人事担当として新卒新人に求める要素についてたずねたところ、トップ3は「主体性」「実行力」「柔軟性」で、昨年と今年で変化は見られなかった。しかし、「ストレスコントロール」が昨年の7番目から5番目にランクアップしており、苦境の中でもストレスを自分でコントロールできる精神面の強さが求められているようだ。
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