当事者の"切実さ"がダイレクトに反映されたEC構築パッケージ
安価なECサイト構築ASPやショッピングモールの登場によって、ECサイトの数はまだまだ増加の途上にある。しかしながら、競争が激化する中、作ってはみたものの十分な手入れができず、売上も思うように伸びない、というケースが圧倒的と言われる。
「さほどこだわりがなければ、『売り場』としての機能を持つECサイトは安価に構築できます。しかし本来、ECサイトの実力は、売り場としてばかりでなく、売上管理や顧客管理などを含む、マーケティング的な総合力で測られるべきもの。『売上を上げる』という点にこだわりを持たないことが失敗につながる場合が多いようです」と、アイテック阪急阪神の江原穣氏は指摘する。
「たとえ、『こだわり』を持っていたとしても、日常業務に大きな時間を割きながらも、サイトの動線を分析し、顧客分析を行い、プロモーションの効果を把握し……という作業を行うのは大変なこと。ログ解析や広告効果測定などの個別のツールを利用している場合、業務のメインであるECサイトの管理画面とは異なる画面を見るためのひと手間が、実は大きなハードルになったりもします」(同社 森本恭代氏)
江原氏、森本氏の言葉に切実さが感じられるのは、EC構築パッケージ「HIT-MALL」のベンダーとして多くのECサイト運営者と接してきたからだけではない。自社のECサイト構築と運営を行う「当事者」としての実感によるものだ。
実は、アイテック阪急阪神は、自社のEC構築パッケージ「HIT-MALL」を用いてECサイトを構築し、自らECサイトを運営している。それも、根強いファンが多い人気プロ野球チーム、阪神タイガースのオンラインショップ「T-SHOP」。プロ野球界一の人気球団であるが故の運営の苦労も相当であろうことは容易に想像できる。
そもそもこの「HIT-MALL」、もともとは、T-SHOPの効率経営のために、自前で作り上げたものがそのルーツなのだ。自社サイトの売上を伸ばすため、効率良く業務を回すための、いわば「リアルな」ノウハウを凝縮し、商品化して提供しているというわけだ。「HIT-MALL」の販売を開始してからも「T-SHOP」の運営は続けており、ユーザーとしての声が、日々改善に生かされているという。
「試合の勝負によって売上が増減したり、季節やタイミングによって投入する商品が違ったり、刻々と変化する商材をあらかじめ想定し、目標を定めて戦略的に対応していかなければなりません。そう分かっていても、効果を検証したり、データを分析したりするのは、正直なところ億劫でした。もっと簡単にできないものか、と常々要望を出していたんです」(森本氏)(次ページへ続く)