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セプテーニのネット広告事業の海外展開を牽引
海外サイトを束ね、広告ネットワークとして商品化する

 ネット業界の仕事といっても、どんなものなのか、何ができるのか、なかなか外部の人間にはわかりにくいもの。そこで、今をときめく「あの会社」で生き生きと働くキーマンを「職種」にクローズアップしてご紹介いたします。第7回は、ネット広告業界で急成長を遂げた株式会社セプテーニで、海外における事業展開を担当する近藤洋司さんを紹介します。グローバル化が進むネットの世界で、海外を照準に新しい広告ビジネスの在り方を模索する、その奮闘ぶりをご覧ください。この記事はCAREERzineから一部転載したものです)。【バックナンバーこちら】

ミッション:魅力ある出稿先を求めて、新たな広告ネットワークを模索する

 バナーやアフィリエイト、リスティングなど、インターネット広告は多様化し、全体の需要も拡大しつつある。特にインターネットの特性を生かして一人ひとりのユーザーニーズに対応した広告配信には各方面からの期待も高く、さまざまなアプローチが試みられている。果たして、ユーザーのニーズに応え、効果のある広告配信システムをどのように構築していくか。それは広告配信事業にとって大変重要なテーマだ。今回ご登場いただく近藤洋司氏はそうしたネット広告の現状を踏まえつつ、自身の仕事について次のように語る。

 「まだまだ日本ではYahoo!JAPANのような総合ポータルが広告出稿先としては主流ですが、一定の閲覧者がいる専門ポータルなどもっと細分化されたサイトも今以上に魅力的な広告出稿先となるはずです。しかし、一つひとつ対応していては効率性が低い。そこでどのように束ねて広告出稿先としての価値を創出していくか、それが私が部長を務めるアドネットワーク部のミッションです」

 ユーザーの属性などに応じたアプローチを考えると、「どこに出すのか」よりも、「誰に出すのか」という視点で考えることが重要だ。たとえば高級車のサイトを見ているユーザー層は、高所得で行動的と推測でき、高額なマンションや化粧品、旅行などの広告出稿先としての魅力は高いと思われる。そのように「サイトを見る人」を想定して「広告ネットワーク」を構築することで、効率よく効果ある広告配信が可能になるというわけだ。

 「クライアントが一つひとつのサイトを吟味しなくとも、想定するターゲットが閲覧する複数のサイトに一括で広告を配信できる。そのためには、クライアントのニーズを想定しつつ、広告ネットワークをどのように構築するかがカギとなります。そこをサイト側の方々と協力し合いながら、商品化していくのが私の仕事というわけです」

 そして2008年10月、近藤さんに新たなミッションが課せられた。そのひとつが海外サイトを束ね、魅力的な広告ネットワークとして商品化するというものだ。グローバル化が進み、スポーツ情報サイトやSNSなど、海外にも日本人が多く閲覧するサイトが増加してきた。それらを束ねて、海外サイトにアクセスするような情報リテラシーの高い知的層をターゲットとした広告ネットワークを構築しようというわけだ。

 「海外のサイトや、広告ネットワークをもつ組織に直接連絡を取って交渉を続けています。セプテーニでずっと営業畑を歩いてきたので、対人スキルはあるつもりでしたが、ネット文化はもちろん契約などの商習慣にもギャップがあり、先方との交渉ではもう右往左往です(笑)。誰も経験したことがないことなので教えを請うこともできず、社内業務のフローを整備するだけでも苦労しました。しかし、新規の仕入れ先を海外に広げていくという仕事は、道のないところに道を造るような、そんな充実感がありますね」

 平均年齢28歳という若いチームで、米国やイスラエル、南米などのメディアサイトや広告代理店などに直接アプローチし、国内外問わず様々な人々と会い、交渉し、協力を得ていく。海外とのやりとりは時差があるため英語メールが主な手段だが、時に電話もかけることもある。近藤さんは「部署が立ち上がって半年経ちますが、まだまだ試行錯誤の状態」と頭をかくが、その試行錯誤の経験から新しいビジネスに対しての手応えを感じることも多いという。

 「日本企業のクライアントがほとんどという社内事情もあって、出稿先としての海外という見方をしてきたのですが、その可能性の大きさもさることながら、逆に海外企業が日本市場のポテンシャルを強く認識し、日本語のサイトの広告ネットワークへの参入意欲も高いということを実感する機会が増えました。日本はネット広告市場のガラパゴスといわれ、言語だけでなく暗黙の制約やユーザーのホスピタリティに対する感度の高さなど、独特の文化や習慣が海外企業の参入障壁となっています。ぜひとも、日本企業の世界進出だけでなく、海外の企業が日本のサイトに広告を出したいときの架け橋となりたいと思っています」

 新規事業部門をリーダーとして牽引するプレーヤーでありながら、アドネットワーク部のマネジメントを担う。そんな多忙を極める近藤さんの実際の仕事ぶりを見てみよう。(次ページへ続く)

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