ブログの集合体「ブロゴスフィア」から現代人の意識が見えてくる
海外ではニュースなどで、「ブロゴスフィア(blogosphere)では○○のように」などと紹介されることがある。このブロゴスフィアとは、簡単に説明すればブログの集合体をイメージしてもらえればわかりやすい。私たちの発した、感情や意識、情報の集合体である。そして、例えばCNNやBBCなど海外の大手ニュースなどでは既に「このブロゴスフィアでは、このような意見が活発である」などと使われているのだ。
他者によって多くの影響を受ける我々は、近しい目線を持つこのブロゴスフィアの影響を大きく受ける確率が十二分にある。では、海外のメディアに倣い、個別の感情や情報を全体として見た場合、我々の意識はどこに向いているのであろうか?
「辛い」「苦しい」「嬉しい」「楽しい」という感情的な4単語が表記されている当月発生分のブログ投稿数を6か月分調査した。ブログによって開示ないしは呈示された感情とは、どのような推移を見せているのであろうか?可能な限り、金銭受領目的のブログ・スパムブログ・アダルトブログを排除し、調査をした結果は以下の通りである。
2009年5月時点では「辛い」といったネガティブなワードの発言数が高ポイントを得ているものの「楽しく・嬉しい」状況であったと言えるのではないだろうか。
しかし、2月・3月については「苦しい」という感情が900~950ptと群を抜いて高い。景況感と連動するものなのか、もしくは4月にポイントが大幅に下落していることから見ると、受験によるものなのか、いずれにせよ非常に興味深いデータである。
近い将来、「ある精神状況Aがブロゴスフィアで蔓延した際、Bといった商品が売れる傾向にある」など、我々の心理を巧みに掴んだ商品販売展開が当たり前のように行われる時代が来るのかもしれない。ブログから見える感情(情報)データの分析がビジネスの成功に結び付くという日が訪れても不思議ではない。


