購買時にAIをどう使う?クラスター分析による「5つの類型」
後半、鷲北氏がもう一つの「ブランドコミュニケーションAIO」について解説した。ここでの出発点は、AIとの向き合い方は商品カテゴリーによって大きく異なる、という着眼だ。「お菓子のことをAIにあまり聞かない一方で、薬や保険のことは割としっかり聞き込む人が多いはずだ」という仮説のもと全国20〜69歳を対象に実施された、20の商品カテゴリーにわたる購買時のAI活用実態調査の結果が紹介された(有効回答4,034件、2026年5月調査)。
クラスター分析の結果、購買時のAI活用パターンは5つの類型に整理できたという。「AIは、比較検討の前段階から購入後のフォローまで、ジャーニーのあらゆる場面で相談相手になり得る」と鷲北氏は説明する。

AIから人間へ情報をどう繋げるか?初めの一歩は「問いの見極め」
最後に鷲北氏は、AIと人・ブランド接点の役割を対比させて整理した。情報整理・比較・条件確認・言語化はAIが得意とする領域であり、一方で共感・体験・驚き・納得や決断を促すのは、人やブランド接点が得意とする領域だ。「最終的には人に情報を届け、人の気持ちを動かすという話になる。対AI、対人間の両方の視点で設計していく必要があります」とし、役割分担ではなく、つながり方を設計することの重要性を強調した。
その第一歩として提案されたのが、「1つの問い×1つのジャーニー」から始めるスモールスタートだ。問いを決める→届けたい価値を決める→AIの回答を確かめる→意味のつながりを診断する→情報と接点を改善する→もう一度確かめる、という手順を踏みながら、自社ブランドにとって「勝つべき問い」「押さえるべき問い」を見極めていくことが、最初の一手になるという。

AIの回答に出るかどうかは、あくまで入り口に過ぎない。マーケターに問われているのは、AIとの対話の中に、自社が「選ばれる理由」をどう根付かせ、育てていくかという視点への転換である。

