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Webディレクターのスキルアップ講座【第3回】
実践編その2:管理・完了チェックのポイント

2009/09/02 11:00

 株式会社ロフトワークでチーフディレクターを務める河原康達氏に、Webディレクターに欠かせない「段取り力」を学ぶセミナー実況中継。第2回は「計画・効率化・情報共有のポイント」をお届けした。第3回はWebディレクションのゴールを決める「管理・完了チェックのポイント」だ。

記憶力に頼るな! ツールを駆使してステータス管理を徹底せよ

 「ステータス管理」は、プロジェクトマネジメントにおいて非常に重要なポイントのひとつです。ここで強調したいのは、「人間の記憶力を基本的には信用しない」という事実です。誰しも経験があると思いますが、人間の記憶というものは絶対的に物事を忘れていくようにできています。人力で憶えておける事柄には限りがあります。だからこそ、進捗管理は数字を用いてあらゆる事柄を数値化し、誰でも直感的に理解できる状態、すなわち「可視化」しておくことが重要なのです。

 この「可視化」が目的とするのは、タスクの漏れを防ぐことです。プロジェクトが進行するにつれて、タスクには必ずといっていいほど漏れが生じます。これを逐一チェックし、「いつまでに誰が行うのか」を常に把握しておく。そのためには、あらゆることを数字を用いて管理するという姿勢が重要です。

ツール1「デヂエ」:色分けでステータスを視覚化する

 「ステータス管理」において効果的なツールとして、今回はサイボウズのASPサービス「デヂエ」をご紹介しましょう。「デヂエ」の機能を簡単にご説明すると、従来エクセルで作成していた管理表をオンラインで自由に設計することができるツール、一般にオンラインデータベースと呼ばれるものに該当します。

 「デヂエ」にはあらかじめ決まった項目はなく、ディレクターが管理表そのものを設計することができます。例えば、タスクのNo、依頼日、ステータス。さらに細かく、依頼内容・担当者・対応・期限・備考など。これらの項目を自由に設計し、目的に沿ったデータベースとして情報共有に活用することができます。

 前述のように、管理表を作成する目的のひとつは、ステータスを視覚化することです。例えば、セルの色を工夫して、「依頼あり」「修正中」「完了」といったように分類します。「依頼あり」が黄色なら、黄色になっているものをタスクとして処理し、「完了」のものはクライアントへ、というような簡単なルールで運用していくことが可能になるのです。一度使ってみていただくと話が早いのですが、「デヂエ」は非常に強力なツールです。ロフトワークでは、ディレクターの基本スキルのひとつとして、「デヂエの設計ができるかどうか」を掲げるほど、このツールを使い込んでいます。

ツール2「BaseCamp」:48時間前にリマインドメールが届く

 最近では、プロジェクト管理に対する注目の高まりから、それに特化したツールも世の中に出てきています。例として、複数のプロジェクト管理を目的としたWebアプリケーション「BaseCamp」をご紹介しましょう。名称に「プロジェクト管理ツール」を掲げる通り、「BaseCamp」はプロジェクト管理に特化した機能を提供しています。「デヂエ」の特長が汎用的な設計であるのに対し、「BaseCamp」は機能特化型のアプリケーションであり、機能特化しているがゆえのメリットがあります。

 「BaseCamp」の特徴的な機能のひとつが、「マイルストーン」の設定です。各フェーズ「マイルストーン」には、日付と担当者が紐づく仕組みになっており、目標の48時間前になると担当者には自動的にリマインドメールが送られてきます。こうした機能により、機械的にタスクを管理できる状態が実現します。

マイルストーンカレンダー

 また、マイルストーンとセットで使用することが多い「TO DOリスト」は、プロジェクトメンバー間での共有ができる点が非常に優れています。最近の流行では、「Remember The Milk」など、個人的な使用を前提としたツールも数多くありますが、プロジェクト管理という観点では、「誰がいつまでに何をしているか」を全員で共有することが重要です。従来であれば、メールやエクセル表を共有したり、誰かひとりが把握して何かあるたびにその人に聞く機械的に一覧でき、誰もがアクセスできる状態を作ることができます。

ToDoリスト

 コミュニケーションというものは、1対1なら1本ののラインで用が足ります。が、プレイヤーが5人になった場合、途端に無数ラインというものが発生してしまう。重要なのは、便利なツールを使うことでコミュニケーションのラインを極力減らし、不要な「伝言ゲーム」を防ぐことです。ロフトワークでは、ディレクターが常時3~4つくらいのプロジェクトを同時に進行しているため、逆に言えば、このようなツールなくしては管理ができない状態、でもあります。(次ページへ続く)

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