もはやWebデザイナーの必須スキル、時代が求める「説得力」とは?
テクノロジーの進化によって表現手法が飛躍的に広がり、広告プロモーションにおけるWebサイトの役割には、かつてないほどに高いクオリティや説得力が求められている。プロジェクトの規模が大きくなり、1つの仕事にかかわる人が多くなれば、必然的に求められるのが、チームメンバー間のコミュニケーションを円滑に進めることのできる「説得力」だ。たとえWebデザイナーといえども、デザイン力だけで一発勝負できる時代ではなくなった。
- デザインに自信はあってもプレゼン能力が不足している
- アサーティブな会話(※協調的な自己主張)が苦手で、意見をうまく伝えられない
といった現状に行き詰まりを感じている読者の方も多いことだろう。そこで今回、編集部では、ザ・ストリッパーズ株式会社代表取締役社長であり、クリエイティブディレクターとして話題作を数多く手がける遠崎 寿義(とおさき ひさよし)さんを講師にお招きし、「説得できるwebデザイン」についてレクチャーいただいた。2回にわけてお送りするセミナー実況中継、第1回は「事例でひもとく企画の裏側」をお届けしよう。
いま、Webデザイナーに「説得力」が求められる、その理由は?
遠崎氏は、株式会社イメージソースに7年間勤務後、2005年にザ・ズトリッパーズを設立。広告コンテンツの制作や、オンラインサービスの開発を数多く手がけてきた。とくにWebならではのプログラミング技術を活かしたインタラクティブ性の高いゲームコンテンツや映像コンテンツなど、リッチコンテンツの分野で評価が高く、国内外の賞も数多く受賞している。セミナーではまず最初に、遠崎氏の仕事についてお話をいただいた。
(以下、遠崎氏) まず最初に僕自身の仕事を紹介しましょう。僕自身は、クリエイティブディレクターという立場にあります。企画をゼロから考え、スタッフを組み、撮影があれば撮影の監督をし、制作フェーズではデザインやFlashの実装の監督をつとめます。これらすべての工程で、クオリティチェックを行い、納品まで責任をもって采配するのが、クリエイティブディレクターの仕事です。
また、ザ・ストリッパーズは小さな会社であり、僕自身はその社長でもあるので、プロデューサー的な役割、どこにどれだけお金を使うかといった予算管理も自分で見ています。一方で、クリエイターとしてFlashの実装も、ほとんどすべての案件でちょこちょこと担当しています。仕事の中身は、広告キャンペーンの仕事がほとんど。近年では、リッチコンテンツの制作が多く、映像やゲームを絡めたものが非常に多くなっています。
こうした広告キャンペーンのWebサイトは、それなりの規模のものになると、ありとあらゆる分野の技術が求められ、超人的な能力が必要とされるたいへんな仕事です。1人でやろうとするのは到底、無理だと思った方がよいでしょう。そこで重要になってくるのが、チームで動くことができる能力。自分の考えをきちんと説明し、多くの人と共有できるコミュニケーション能力、すなわち「説得力」なのです。
今回のセミナーでは、完成した作品としてすでに公開されているWebサイト事例をもとに、「どういうふうな企画から、このようなサイトができたのか」という、企画の裏側を解説。さまざまな局面でWebデザイナーに求められる、「説得力」の秘訣をお伝えしていきたいと思います。(次ページへ続く)
テクノロジーの進化による、表現技法の多様化・高度化
↓
超人的な能力が求められ、1人では仕事を完結できない
↓
高まるチームワークの重要性
↓
そこで必要となるのが…
↓
「説得できるWebデザイン」のスキル!