長岡市は、災害時に、一般からの救援物資は受け入れない
(※ 筆者注:この原稿は、2007年3月25日の能登半島の地震が起きるより前に書いたものです。)
2004年10月に起きた新潟地震の被災地の一つ、長岡市は、2006年11月に、「今後、災害時には原則として、一般からの救援物資を受け付けない方針」を、防災計画に明記することを決めた。
これから長岡市で、地震、水害、その他の天災が起きたときに、あなたが心から同情し、心づくしの見舞いの品を、ていねいに梱包し、長岡市に送り届けたとしても、その物資は、送り返されるであろう。送り返された荷物には、「長岡市は、2006年11月に一般からの救援物資は受け入れない方針を決めております」と書いた紙でも貼ってあるかもしれない。
つまり、長岡市としては、救援物資は、淡々と、事務的に門前払いにしたいのだろう。
この話を最初に聞いておどろいた。災害物資を受け入れないことを、わざわざ市の文書に明記するなんて。つまり、よっぽどイヤだったんだね。前回の地震の時に届いた救援物資の山が。
この写真を見ると、納得
だが、今の私には、長岡市の気持ちが分かる気がする。なぜならこの写真を見てしまったから。
これは、中越地震の時に長岡市に届けられた救援物資が、そのまま倉庫でゴミの山になっている様子である。製造業の世界に「在庫は罪庫」という言葉があるが、この写真はまさにそれ。写真右下の人物との対比が、このゴミの山の巨大さを示していて、生々しい。
このような方針を決めたのは長岡市だけではない。今年の1月には、鳥取県も同様の文言を計画書に盛り込んだ。もしや、この流れは今後、全国に広がっていくのかもしれない。
今回の原稿では、なぜ善意の救援物資が、これほど自治体にいやがられるのか、まず、その理由を詳しく書く。続いて、真に効果的な救援方法とは何かを明らかにする。最後に、その効果的な救援を行うために、ロングテール理論が極めて有用であることを、具体的な方法を交えながら述べていく。
では、始めよう。