リマーケティングにも応用「ターゲティング」
セグメント化されたグループに対し、A/BテストやMVT(多変量解析テスト)をしながら、それらのセグメントがコンバージョンにつながる成功要因を見つけ出し、多くのユーザーが通り道となるページ(Topページや広告・検索からのランディングページなど)のコンテンツをセグメント毎に出し分けるのが、ターゲティングです。
ターゲティングでできることは、サイト訪問者へのコンテンツの出し分けだけではありません。特定の商品を購入したセグメントや、商品を買い物かごに入れたまま離脱してしまったセグメントなどに、Eメールで再度アプローチするリマーケティングなどにも応用されています。
弊社にはOmniture Discoverというセグメントの仮説検証を柔軟に行うツールがありますが、このツールを使ってコンバージョンが高い、1回の購入金額が高いなど、KPIが他に比べて突出するグループを仮説に基づいて洗い出すことができます。
そのセグメントをウェブ解析ツールであるOmniture SiteCatalystで取得できるよう実装をし、定点観測を開始しながらそのセグメントグループのサイト内遷移や、購買行動といったサクセスイベントの傾向などを分析することで、ターゲティングへとつなげていくことが可能となります。
次のステップへ誘導「レコメンデーション」
ターゲティングが、あふれる情報の中でユーザーの興味・関心に近い情報を絞り込んで、次のステップへ誘導するのに対し、サイトのサクセスイベントに近いステップ、コマースであれば商品詳細ページや購入ステップで、コンバージョン効果を最大限に引き出そうとするテクノロジーが、レコメンデーションです。
またIKEAの例に戻りますが、クローゼットの展示エリアをみて回ると、クローゼット以外に、引き出しの中の仕切りボックスや、スカーフなどを掛けるための便利ハンガー、高い位置の隙間スペースを活用するための取っ手付きボックスなど、関連商品がうまい具合にディスプレーされています。
クローゼットを選ぶ思考プロセスの中で、それらの関連商品を使うことによるベネフィットを消費者の思考の中に滑り込ませ、そもそもの目的はクローゼットの購入だった消費者が最後のお会計時には、購入予定になかった関連商品を一緒に購入(クロスセル)することにより、1人あたりの購入単価UPにつなげているのです。
これと同じように、ウェブでは過去のコンバージョン情報に基づき、現在コンバージョンをしようとしているユーザー行動との類似パターンを洗い出し、コマースであれば“この商品を買った人はこんな商品を買っています”といったお勧め商品を紹介してアップセル・クロスセルを促したり、メディアでは関連記事のリンクを表示することでよりページ深度を促進したり、カスタマーサポートでは類似のQ&Aのページへのリンクを表示して問題解決の確度を高めたりと、各ビジネスのサクセスイベントを最大限に引き出すためにレコメンデーションが活用されています。
レコメンデーションを実行するには、コンバージョン効果などのウェブ解析のデータや、購入履歴などの顧客DB、コンテンツを自動的に出し分けるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)、レコメンドするパターンを判断するレコメンド・エンジンといったテクノロジーを融合(インテグレーション)させ、自動化させることが必要です。