Q 事業会社とNPOに共通する「すべらない事業」のコツは?
今できることから、一歩先のステージに事業を進めていく志は営利、非営利かかわらず必要なことです。それから営利、非営利ともに収入と支出のバランスを考えることが大切なことはすでに述べました。
そして営利、非営利ともに「何のために事業を行うのか」をはっきりすることが大切だと感じています。
たとえば株式会社の場合は「1円でも多くの利益をあげるために頑張ろう」でもいいし、 「この業界では世界で1番になるために頑張ろう」でもいい。
一方、NPOの場合は、株式会社以上に多くの人からの「共感」が必要ですから、「たくさんもうけよう!」といってもなかなか共感してくれません。お金に人が集まるのではないのです。NPOは例外なく社会の問題に取り組んでいるわけなので、「1人でも多くの人を助けよう!」という掛け声の方が、共感していただきやすいとおもいます。
株式会社は歴史も長く、お手本となる様々な事例が研究機関で研究され、書籍としても発売されています。
それに対してNPO法人はまだ歴史が浅く、成功事例と呼べる例は多くありません。マーケティングの方法や、人事制度の設計など株式会社での成功事例から学ぶことはたくさんあると思います。ビジネス経験のある人にぜひNPO活動にかかわっていただき、マネジメントに対する協力をお願いしたいですね。
Q 今後の目標を教えてください
世の中には行政でも企業でも解決できない問題がまだまだたくさん存在します。
まだ知られていない優れたNPOが数多く存在することを知っていただき、一人でも多くの人にNPO活動にかかわっていただきたいと思います。
まずは昨年に引き続き年末に行う企業連携のチャリティキャンペーン「SayLOVE 2nd」で、多くの人に社会貢献の機会を提供したいと思います。キャンペーン期間は2009年12月1日~2010年3月31日までです。詳しくはウェブをご覧ください。
→ チャリティ・プラットフォーム
→ SayLOVE(今年のキャンペーンサイトは2009年12月1日オープン!)
Q 社会起業家を目指す方へのメッセージをお願いします
社会起業家は「多くの人から共感をいただく」という仕事です。
苦労も多いですが、とても大きなやりがいがあります。船出の際にはご連絡ください。一緒に世の中を変えていきましょう!
【インタビューを終えて】
営利であれ非営利であれ「何のためにその事業を行うのか」、は事業を継続させるにあたり根源的なものであるはずだ。しかし、私も含め多くの営利を目的とする事業会社を運営している経営者の場合、時に創業当初の思いからブレることもある。
その点、営利を追求する事業会社と異なり、営利追求がゴールではないNPOにとって、どんなに辛いときでもそれを乗り越えるための”何故自分達がその事業を行っているのか”、という「心のよりどころ」が事業会社以上に強く求められるのではないだろうか。