SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZineオンライン法律相談所

「勝手に使用された写真を閲覧禁止にしたいのですが…」ネットのいやがらせ、セキュリティの「はてな?」その2


対応その2 「著作権・著作者人格権」に基づく対応

 写真共有サービスにアップした写真の著作物には、著作権や著作者人格権が存在します。あなたがその写真を撮影したのであれば、この写真にかかる著作権や著作者人格権はあなたに帰属します。

「著作権」とは、著作権法第21条から第28条に規定された権利をいい、これには著作物を複製する権利、著作物をサーバにアップロードする権利、著作物を改変する権利などが含まれます。また「著作者人格権」とは、著作者が創作した著作物に対して有する人格的な利益を保護する権利であり、これには著作物の同一性を保持する権利、著作者の名誉、声望を害する方法によりその著作物を利用する行為を禁止する権利などが含まれます

 本件では、利用規約上、写真の転載・改変・二次使用は認めない旨が定められていたにもかかわらず、写真共有サービスにアップした写真がダウンロード(複製)され、コラージュにより写真が改変されていることから、写真共有サービスにアップした写真にかかる著作権が侵害されていると考えることができます。

 また本件では、写真共有サービスにアップした写真をコラージュすることにより、写真の同一性が保持されておらず、さらに、本来の公開目的とは一切関係がなく、意に反するコラージュであることから、著作者の名誉・声望を害する方法で写真の著作物を利用していると評価することができ、写真共有サービスにアップした写真にかかる著作者人格権をも侵害していると考えることができます。

 著作者や著作権者は、著作権又は著作者人格権を侵害する者に対して、その侵害の停止を請求することができます(著作権法第112条)。したがって、本件では、「著作権・著作者人格権」侵害を根拠に、コラージュされた写真のWeb上での公開の禁止を求めることが可能です。

 「肖像権」を根拠とする場合であれ、「著作権・著作者人格権」を根拠とする場合であれ、コラージュした写真のWeb上での公開の禁止が認められるか否かについては、画一的な判断をすることができないので、同種の事案のお困りの場合は、まず弁護士等の専門家に相談されることをおすすめします。

本稿中、意見にわたる部分は、筆者個人の見解を示すにとどまり、筆者の所属する法律事務所の意見を表明するものではありません。また、具体的事案により本稿中とは異なる結果が生じる場合があります。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
MarkeZineオンライン法律相談所連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

笹倉 興基(ササクラ コウキ)

弁護士(東京弁護士会所属)。1995年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録。黒田法律事務所において、特許権、商標権及び著作権といった知的財産権に関する案件、ベンチャー企業の支援を担当している。また、M&A・事業再生・リストラクチャリングや民事再生などにも注力しており、ビジネス法務の分野において第一線で活躍中。ネットビジネスに関連する法律に精通している。
www.kuroda-law.gr.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/03/13 17:56 https://markezine.jp/article/detail/856

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング