念願の海外進出! でもその前に、ちょっと落ち着いてポイントを確認
オンラインビジネスの利点は多種多様にありますが、日本にいながら世界の市場を相手にビジネスを展開できる可能性は、大企業だけでなく中小企業や個人サイトのオーナーにとっても大きな魅力です。日本のインターネット人口は世界のインターネット人口のたった5.5%ほどですから、海外進出で売上アップを考えている企業も多いと思います。
しかしそれと同時に、言葉や習慣などの違いを理由に、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。実際、海外進出に失敗した企業の話をよく耳にします。そこで今回は、海外市場に進出する場合に気をつけるべきポイントについて、サーチマーケティングの観点からお話ししましょう。
まずはWebサイトの多言語化
海外市場を対象にサーチマーケティングを行うには、まず外国語のWebサイトを設置する必要があります。ドイツ人が日本語のキーワードで検索することはまず考えられないので、ドイツ市場を狙うならドイツ語のサイトを、イギリス市場を狙うなら英語のサイトが必要です。進出先を検討する際には、下記を参考にしてください。
- 過去に問い合わせを受けた市場
- 現在アクセスがある市場(アクセスログを確認)
- ビジネス経験がある市場
- 競合が進出している市場
- 関連キーワードの検索数
(例:ベビー用品を販売している企業のサイトが、イギリス市場でのビジネス展開の可能性を調べるには、「baby goods」や「baby products」といったキーワードのイギリスでの検索数を調べる)
特定の国からアクセスがある場合には、平均して毎月どの程度のアクセスがあるか、問い合わせを受けた事がある場合には、問い合わせの内容や相手が見せた興味の度合いなどが特に参考になります。問い合わせだけでなく既に受注した事がある国があれば、その市場も進出先の候補になるでしょう。候補が複数あり、最初の進出先を1つだけ決めたいという時には、関連キーワードの検索数から市場の大きさを判断し、競合が進出しているかどうかを参考にするとよいでしょう。
進出先が大体決まったところで、検索連動型広告を利用した短期間の市場テストを実施することをお勧めします。テストなのでサイト全体を多言語化せず、特定のキーワードリストを作成して外国語のランディングページを1~2ページ用意すればいいため、限られた予算で市場の反応が調査できます。広告文も多種そろえてテストを行えば、文化や市場トレンドの違いを知ることもできます。
対象にする市場が決まったら、Webサイトをその市場向けに多言語化します。多言語化とは単なる翻訳作業ではありません。キーワード調査と選定がサーチマーケティングにとっていかに大切かについては次項で説明しますが、キーワード以外に、本文のコンテンツだけを翻訳してタイトルやメタタグが日本語のままであったり、ページに掲載されている画像上のテキストが日本語のままであったりといった問題をよく目にします。多市場化という点では下記のようなミスが多いようです。
- 「
lang="ja"
」や「charset=Shift_JIS
」などのタグが、対象市場用に変更されていない - ショッピングカートが日本語のまま(外国語に対応できない)
- 支払い、送料、出荷、返品などの内容が日本市場向けのまま
SEOや広告で集客しても、これではなかなかROI向上に繋がりませんよね。多言語化したサイトは日本語サイトの複製ではないのです。