分析担当者をアサインし、分析ツールを選定する
分析の実行に当たって、まずは分析担当者をアサインする必要がある。この場合、分析を自社で行うか、外部アナリストへ分析をアウトソースするかという選択肢がある。
自社で実行する場合は、社内リソースを確認し、適任者がいるかどうかを確認する。また、外部へ委託する場合は、単に作業をアウトソーシングしたいのか、分析におけるコンサルティング機能も期待しているのかを勘案したうえで、外部委託会社を選定する。
たびたび言及してきたが、分析の本質的な目的は、マーケティング改善につなげるためのインサイト把握である。そのため、自社で行うにしても外部へ委託するにしても、分析担当者は、「データ分析」の他に「コンシューマーインサイト分析」「マーケティングプランニング」にも精通していることが望ましい。実際には、1人の分析担当者がすべてカバーすることは難しいため、これらのスキルセットを持った人間が集まった分析チームを編成し、分析を行っていくことが求められる。
なお、自社で分析をする場合、最近では多くの分析ツールがASPにより提供されているので、その中から選定していくことになる。選定する際には費用もさることながら、分析目的を達成するためにどの分析ツールが最適か、という観点が重要となる。
レポーティング(社内共有)を行う
分析目的の設定の節でも述べたとおり、改善のための取組みには、あらゆる経営リソース(ヒト・モノ・カネ)が必要となる。その際、必要とされる意思決定が、現場のオペレーションレベルに止まるものなのか、経営層も巻き込んだストラテジックなものなのかによって、報告対象が変わる。
オペレーションレベルの場合は、通常、現場のマネージャークラスが報告対象となる。しかし、よりストラテジックな場合は、意思決定権限を持っている経営層を報告段階から巻き込んでおいたほうがいいだろう。そして、今後の改善策の方向性に対する承認を得ていく。またそれと同時に、その取組みを現場レベルへ落とし込んでいくために、各ファンクション(プロダクト/マーケティング/セールス/CSなど)への情報共有が非常に重要となってくる。
前回に引き続き2回にわたって、ソーシャルメディアマーケティングにおけるListening(傾聴)について解説してきた。次回以降では、顧客・消費者に働きかける戦略について、考察していきたい。
