2日目のキーノートスピーチには『アンビエント・ファインダビリティ』の著者であるPeter Morville氏が登壇し、情報構造、アンビエント・ファインダビリティ、そして新作である『Search Patterns』の中で解説している検索パターンをテーマとしたプレゼンテーションを行った。本来2冊の本にまとめられている内容をプレゼンテーションしたのでそれぞれ駆け足になったが、多くの知見が得られる場となった。以下、セミナーの要点を整理していく。
情報構造とは何か?
Peter氏は、図書館情報学および情報検索の専門家としてのバックグラウンドを持つとともに、現在は情報構造の設計についてのコンサルティングを行う会社であるSemantic Studiosの代表を務めている。セッションでは、ユーザーに“よりよい体験を提供する”Webサイトはどのようなサイトなのか、という視点でのプレゼンテーションを行った。
冒頭、Peter氏はプレゼンテーションの冒頭で情報構造とは、次のことを指していると述べた。
- 構造的に情報の環境をデザインすること
- イントラネット、Webサイトナビゲーションシステム、検索、ラベル付けなどの管理と最適な設計をすること
この2点を分かりやすく言えば「人々が必要な情報を見つけやすくするようにWebサイトを整理して構築することだ」(Peter氏)となる。
また、Webサイトの情報構造を整理する基本の1つとして彼が挙げたのが「トップページから複数の経路で同じ情報にアクセスできるようにすると同時に、到達するためのクリック数を少なくすることだ」だ。しかし一方でそれだけで十分ではないと、警鐘を鳴らした。
一方、ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)を構成する要素をハニカム構造(蜂の巣状の図)によって提唱している。その構成要素は、
- Useful(役に立つ)
- Usable(使いやすい)
- Desireble(魅力的であること)
- Credible(信頼できること)
- Accessible(誰にとっても利用しやすいこと)
- Valuable(価値があること)
- findable(情報が発見されやすいこと)
の7つである。
多くの情報が存在し、検索エンジンの利用が普及している中「情報が発見されやすいこと」と「信頼できること」は、より相関関係になっているという。検索エンジンで上位表示されれば、信頼性が高い情報なのではないかとユーザーが感じるようになってきているのではと述べた。