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ネット専業なのにアナログな口コミ重視
ライフネット生命の“直球勝負”マーケティング戦略

「ネットのことは若手に」すべてを任せる経営方針

 そうした活動のために、出口社長の空いているスケジュールはすべて若手社員が自由にできる。

 少しでも同社の理念・活動を伝えられる機会があるのなら、どんな活動でも社長の承認無しでスケジュールを抑えることが可能だ。還暦を超えた出口氏は「おじさんは保険会社のマーケティングを知っているかもしれないけれども、ネットの読書量が圧倒的に少ない。20~30歳の若手の方がネットの読書量が圧倒的に多い」と若手を全面的に信じている理由を話す。

 切込隊長ちきりん氏といったネットの有名人との対談なども行った。それまでまったく名前も知らなかった相手との対談だっただけに「やってみるまでは効果に対して半信半疑だった」(出口氏)そうだが、それでも若手社員の言うがままに行動した背景には前述のような考えがある。

切込隊長さん、ちきりんさんなどネットの有名人との対談にもチャレンジ。写真は対談時に撮影された写真
(出典:[PR]パパになった“切込隊長” ライフネット生命保険加入を検討する,
[PR]ライフネット生命 出口社長が訊く!社会派ブロガー「ちきりん」さん10000字対談

 ほかにも、オバマ大統領が選挙に勝った後には日本での支持率を調査してプレスに流し、同社の知名度を広げようと考えた。「『これがどう保険と関係があるんだ』と聞いたら『オバマ大統領には日本人も興味を持っています。だからライフネット生命の名前が見られるのです』と怒られた」と出口社長は笑って話す。

 「社員の勧めでTwitterもやっています。ほかと違うことをやる。小さな会社が同じことをやっていたら勝てるはずがない」(出口氏)。結果、同社のマーケティング戦略は業界内でも注目の的になっている。競合他社から「なんでそんなにうまいんですか?」と相談に来られることもあるのだとか。

 ライフネット生命はWebサイトも好評だ。サイト開発の際にはさまざまな業者にコンペに参加してもらい、最終的にはユーザビリティを重視して発注先を選んだ。「ホームページは営業マンの代わり。だからユーザビリティにはこだわった。生命保険会社のサイトは、Webのことを知らない保険のことを知っているプロが指示を出して作らせている。うちは保険に詳しくなくてもインターネットのことを知っている20~30代が指示を出している。作っている人がユーザーと同じ年代で同じ意識を共有している」。だから使いやすくて当然だと出口社長は胸を張る。

 「部下には『ライフネット生命は直球しか投げない』と言い続けている。ネット専業の生命保険という意識は持っていない。保険料を半分にするためだけにネットを使っているのであって、ネットは手段。目指すのは世界で1番いい保険会社でネット生保じゃないんです

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/03/09 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9791

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