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Omniture Summit 2010総力レポート

口コミキャンペーンを成功させるためのソーシャルメディア・アクセス解析Tips

ソーシャルメディアのアクセス解析Tips

ソーシャルメディアはどのようにしてトラフィックが生まれるか?

 続いて、HowStuffWorks.comで行っているソーシャルメディアのアクセスを解析するTipsが紹介された。まず、ソーシャルメディアからのトラフィックに対しては、次の2つの基本理念を念頭に入れておくべきだという。

    1:公開している全てのコンテンツが、ソーシャルメディアを通して広まる可能性がある
    • Facebookのアプリ・ゲーム・更新情報
    • オンラインクイズ
    • 記事・人気記事・ビデオ・画像
    • ユーザーアクション:購入・登録・レコメンデーション
    2:時間をかけずにコントロール出来る範囲で計測を行う
    • 分類して口コミをトラッキングする
    • Twitterのハッシュタグで情報をまとめる
    • デスクトップアプリケーションはリファラー情報が無い
    • FacebookでのJavacriptによる制限

ソーシャルメディアキャンペーンでもトラッキングコードの付与は必須

 次に、基本的なことではあるが「ソーシャルメディアでのキャンペーンの効果を計測したいのであれば、他のキャンペーン同様、サイト内外でURLを掲載する際、トラッキングコード(解析用のプロパティなど)をつけるのを忘れないように」と、ラベール氏は注意を促す。

 これは、トラッキングコードを付けてURLを掲載することで、単なるリファラー画面よりも詳細な情報をレポートで見ることできるからだ。コンテンツごとに、どのプロモーション手法が効果あったかを横並びで比較でき、どのコンテンツが他の人に共有され、その後クリックされているかを把握することが可能になる。

トラッキングコードをURLの掲載ごとに付与することで、より詳細な情報を確認できる
トラッキングコードをURLの掲載ごとに付与することで、より詳細な情報を確認できる

 また、TwitterやFacebookのAPIを使って、「投げ返し(Twitterで言及する、「お気に入りへ追加」など)」用のボタンなどをサイトに設置し、それらに自動的にトラッキングコードを付与するようにしておけば、計測も容易になる。この手法を採用することで、ソーシャルブックマークサービスのブックマーク数などをカウントして、解析ツールの画面上で確認することが可能になる。

ソーシャルメディアにおけるコンバージョン計算式

 HowStuffWorks.comでは、こうして計測したデータを基に、下記の式を使ってソーシャルメディアにおいて共有された数(コンバージョン)を割り出している。これらは記事単位で分析しており、数値が大きい方が効果は高く、より多くの人にクリックされたと見なすことができる。

ソーシャルメディアのコンバージョン計算式
  • ソーシャルメディアコンバージョン = 該当記事やコンテンツのリファラーの数 ÷ Facebookなどでの投げ返し

 こうして割り出された数値は、「どういう記事を作成した方が良いか」「ソーシャルメディアネットワーク上で興味を持ってもらいやすいコンテンツ」といった発見に役立つ。他にも「投げ返し率(投げ返し÷訪問回数)」などを見るのも良い。

流入元の内訳を見てインフルエンサーや波及の流れを分析

 あるコンテンツに対してトラフィックが急増している場合、その流入の内訳を見てみることも重要だ。例えば、同サイトの「10 Things you should not post on Social Networks」という記事では、Twitterから瞬間的に流入が大量増加したが、他の流入元からのトラフィックでは大きなピークがなかった。これをさらに細かく分析する事で、「どのTwitterアカウントから流入が多かったか?」などを把握することができる。

初期段階でTwitterからの流入がある
時間差でFacebookのトラフィックが増加している
初期段階でTwitterからの流入があり、時間差でFacebookのトラフィックが増加していることが分かる

 さらに、ピーク以降の流入の内訳を見ることで、波及の流れなどを測定する事も可能だ。同じ記事の例では、Twitterは立ち上がりが早く、その後にFacebookやブログ等での言及があり、Twitterより遅れて流入が増えていた。まずRSS経由でサイト内にアクセスがあり、その内容がTwitterで発言され、そこからTwitter経由の流入が増えるといったトラフィックのパターンも把握できる。

消費者視点とスピードが重要

 このように、トラフィックの内容を解析していくことで、口コミ数の増加やキャンペーンの改善につなげていくことは十分可能だ。

 しかし、冒頭に述べたように、方法論に正解がまだない分野であることに変わりはない。最後にファンク氏は、「最も重要なのは『“消費者にとって”話題になるような情報を提供すること』であり、正解がないからこそ『スピードを重視してトライ&エラーを繰り返すこと』だ」と参加者にメッセージを投げかた。

『バイラル・マーケティング』の筆者としても知られるセス・ゴーディン氏と
オムニチュアユニットのジェネラルマネージャー ジャシュ・ジェームス氏の言葉が引用された
セッションの最後には、セス・ゴーディン氏とジャシュ・ジェームス氏の言葉が引用され、「“消費者にとって”話題になるような内容を提供する事」「スピードを重視して実施する」の重要性が訴えられた

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/03/18 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9879

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