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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

ブログ界最強のサポーター、徳力基彦のビジョン「21世紀が本当の意味で個人の世紀になるお手伝いをしたい」(中編)


今回のゲストは徳力基彦さんです。日本のブログ界に多大な影響を与えた人物で、現在もFPNニュースコミュニティや複数のブログを運営し、活躍なさっています。中編ではFPNやワークスタイル・メモを立ち上げた理由について伺いました。(前編はこちら、後編はこちら)

遊談相手
徳力基彦
徳力基彦(アリエル・ネットワーク株式会社 プロダクト・マネジメント室 マネージャ)
NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、アリエル・ネットワークに入社。ソフトウェア・ツールの企画やコンサルティング業務に従事する他、ITmedia BizID「デジタルワークスタイルの視点」の連載を担当。著書に「P2Pビジネス」、「アルファブロガー」(翔泳社)等がある。「FPNニュースコミュニティ」や「ワークスタイル・メモ」等、複数のブログを運営し、個人でも幅広い活動を行っており、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画している。
 

NTTから生まれたFPN

四家
前編の続きですが、徳力さんは会社のために、自分を売り出していったんでしょう。ベンチャーだと経営者が前に出るケースが多いけど、そういうタイプじゃなかったので自分が行くしかないと。
徳力
そうですね。アリエル・ネットワークの人はみんなシャイなんですよ。技術力は相当高いと思うけど、はてなとかウノウの人たちみたいに、うまくアピールできないというか、アピールすること自体を恥ずかしいことと捉えているというか。
四家
徳力さんだってシャイだけど、他の社内の方々は輪をかけてシャイだから、徳力さんが外にアピールする役目を引き受けて、自分を売出すようになった。そのひとつの手段として、実名でブログを書いたわけですね。
徳力
そうですね。その頃の出会いで大きかったもののひとつとして、FPN(Future Pianning Network)との出会いがあります。FPNはもともとNTTの社内ベンチャーとして、僕のNTTの同期にあたる杉本さんが、社内ベンチャー企画に応募しようとして始めたネットコミュニティです。杉本さんが気になったビジネス系の記事とかを、それはもう鬼のようにクリッピングしていて、内容が充実しており、田口元さんと橋本大也さん主催の「忘年会議」で1位に選ばれたりしてました。
FPNは自分のブログ記事を投稿できるビジネス寄りのニュースサイト
四家
その忘年会議には僕も参加してましたよ。そうか、FPNはNTTから生まれたんですか。
徳力
NTTのメンバーが当初は中心でしたね。ただ、FPNは結局、社内公募にはもれてしまうんです。それで当時の杉本さんはオープンなコミュニティの議論に限界を感じていて、Outlogicというクローズドなコミュニティを始めて、そっちにのめりこむようになります。それでFPNは閉じてしまおうかと。
四家
ああ、そんなことがあったんですか。
徳力
ちょうどその頃に、僕は初めてFPNのことを知って、これは面白い取り組みだと、周回遅れで興奮していた頃だったので(笑)。それはもったいないので、ぜひ僕にやらせてくださいとお願いしました。それが2004年の7月だったでしょうか。当時、自分のブログを書き始めたものの、やはり他の人より周回遅れでブログを始めている上に、自分ひとりで書き続けることの限界とかを感じていたんですよ。それで複数人でグループブログ的にやれば楽じゃないかと(笑)。そのプラットフォームにすでにコミュニティができていたFPNを使わせてもらったんですよ。
四家
なるほど、そんな経緯があったんだ。
徳力
当初はたしか6~8名ぐらいで、「テーマをそれぞれ担当して定期的に記事を投稿しましょう」という感じで始めたんですが。やっぱり皆さん忙しいんで、続かなくなるんですよね。記事投稿もそもそもボランティアだし。それでクローズドな投稿メンバー制に限界を感じて、オープンな投稿型に移行したのが今のFPNニュースコミュニティなんです。
四家
会社のために自分を売り出しにいった徳力さんが自ら先頭に立ったはじめてのプロジェクトですね。
徳力
そういうことになりますね。個人的には杉本さんの看板の下でやらせてもらっているつもりなんですが。本当にFPNでやりたかったのは、ビジネス系の濃い記事をみんなが投稿しあうようなサイトでした。今考えると、要はdiggですよ。(編注※diggは英語圏のソーシャルブックマークサイトのひとつ)
四家
なるほど。
徳力
そのdiggみたいなのを理想としていた自分の思考回路からすると、当時疑問だったのが、「ビジネス系の濃いブログってどういうブログがあるんだろうか?」とか、「他の人たちはどういうブログを仕事とかの情報源にしているんだろう」というものでした。当時の僕は、ブログのおかげでいろんな人と知り合ったり、つながったりできるというのを体験して、ブログに凄い未来を感じていたわけですよ。その一方で日本で取り上げられるのは、やれ芸能人ブログだ、やれ社長ブログだと、ビジネスに役に立たないブログばかりでした。

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/04/20 10:18 https://markezine.jp/article/detail/1025

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